神に捧げられた少女と孤独な高校生が、島の記憶と向き合う物語
- ★★★ Excellent!!!
南の島を呑み込む嵐と
神に捧げられたひとりの少女──
神話のような祈りと
犠牲の光景から始まる物語は
やがて時を飛び越え
駄菓子屋と城跡と高校生たちが生きる
〝いま〟の島へと滑らかに繋がっていく。
目を合わせることすら怖がる少年と
子どもたちに慕われる朗らかな少女
坂の上の城跡で
二人の孤独がふと交差した瞬間から──
過去に置き去りにされた〝なにか〟の気配が
胸にもじわりと近づいてくるのを感じました。
虹
蝉時雨
さびれた駄菓子屋
月光に照らされる城跡──
鮮やかな風景のひとつひとつが
静かに心の傷と結びついていくようです。
〝生き延びること〟と
〝生き続けさせられること〟のあいだで
揺れる魂たちの物語が
この先どんな形で重なっていくのか。
頁を捲るたび
続きを読まずにはいられなくなる
そんな予感に満ちた一冊です。