“呪い”が繊細に描かれた作品

人形のように美しい双子の姉妹――呪いを見抜く『月』と、怪異を喰らう『陽』。

この二人の存在感が圧倒的で、どこか背筋が寒くなるような雰囲気が、物語全体を包み込んでいます。


描写が非常に丁寧で、一つひとつの情景が鮮明に浮かび上がるのが魅力的です。

恐怖の中にもどこか儚さや美しさがあり、ただのホラーにとどまらず、人の心の奥底に潜む“呪い”という概念を深く掘り下げているように感じました。


静かにじわじわと迫る恐怖と、どこか神秘的な双子の物語――怪異譚やホラーが好きな方には、ぜひ読んでほしい一作です。

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