新婚なのに追放!? 恋愛のじれったさと、ほのぼの日常描写が光る作品

政略結婚から始まる物語でありながら、重苦しさよりも前向きな温かさが印象に残る作品です。



結婚式直後に追放されるという状況に置かれたカタリナですが、男勝りで芯の強い性格と、魔石樹を育てるという唯一無二の能力によって、逆境を「切り開いていく物語」へと昇華している点がとても魅力的でした。

一方のクルトは、魔工技術に関しては天才的でありながら、人付き合いが極端に苦手という不器用さが愛おしいキャラクター。

幼少期から想い続けているカタリナを前にすると緊張してしまい、素直になれない姿は思わず応援したくなります。


そんなクルトに振り回されながらも、持ち前の行動力と人懐っこさで周囲を味方につけ、少しずつ距離を縮めていくカタリナの姿が心地よく、二人の関係がゆっくりと育っていく過程に温かなときめきを感じました。



追放、政略結婚といった王道要素に、魔石や魔工技術といったファンタジー設定がうまく絡み合った、ほっこりする一作です。

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