『誰も知らない、世界のつくりかた』

この世界には「スキル」がある。
それは戦う力であり、時に人の価値を決めるものだった。

だけど──私、綾瀬つぐみは何のスキルも持っていない。
“無スキル”と呼ばれ、ただのモブでしかない私に、何ができるのか。

それでも私は信じていた。
誰かの力になること。誰かの背中をそっと押せる存在になれることを。

そんな私が、ある事故をきっかけに目覚めたのは──
＜工房スキル＞。
それは、武器でも魔法でもない。だけど“この世界の構造”に干渉できる、異質なスキルだった。

戦うことができない私が、“つくる”ことで世界に抗う物語。
崩れゆく運命の中で、私は選ぶ。「それなら──私が“作る”しかない」