概要
丹念に、綿密に作った箱には、なにもかも収納できます。
ダンボール製品の町工場へ勤めていた逸見は、倒産する原因となった前追を連れ出す。社長や同僚、取引先の人々へ謝るために。謝る前追を庇い、共に頭を下げる逸見は謝罪行脚の先、どこへ辿り着くのか。
◆逸見(いつみ)
34歳。神持機工の製造工程を任されるリーダー。
◇前追(まえおい)
34歳。神持機工の納品工程を任されるリーダー。
◆逸見(いつみ)
34歳。神持機工の製造工程を任されるリーダー。
◇前追(まえおい)
34歳。神持機工の納品工程を任されるリーダー。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!クズの視点で追っていく謝罪行脚の果て、気づけば抜け出せない箱の底
倒産してしまった小さな企業の元社員が、迷惑をかけた社内外の人々に謝罪して回っていく様子を描く本作。
それなりにうまく世を渡ってきたはずの主人公・逸見さんが、倒産の主原因を作った冴えない同期・前追さんの世話を焼きながら、さまざまな人の元へと後始末に訪れます。
一見するとロードムービーのような構造の本作は、人間の醜さや卑しさ、世の中の無情を描き出していきます。
クズキャラの造形に定評のある作者さまが、今回はなんとクズ側の人を主人公に据えて物語を綴られました。
こういう捻くれたタイプの人が、どんなふうに物を見るのか。一人称視点で切り取られていく人間関係や物事の状況に、ものすごい説得力があります。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!駄目な私にも響く!
作者さまはいつも全力ですが、今回も角度を変えて全力です。
絶対いいカーブがグローブにおさまるでしょう。
純文学ってなにか、説明ばかりするのと、実際に小説にするのとでは重さも軽さも異なると思います。
大学院にいたとき、重い病気となり、寝たきりになりました。
休学しました。
様々に諦めていたとき、婚約者と結婚してなんの光も感じ難くなっておりました。
ベッドまで薬と水を持ってきてくれた夫と結婚式はできないという医学的診断。
恐ろしいことに関節が動かなくなりました。
休学して復帰したときの私の気持ち、あたためていましたが、それかも知れない。
要するに、上っ面ではない、本作品。
キ…続きを読む