「俺の未来、いつ温まるんだ?」
そんな三十五歳のサラリーマン・温井ヌルオのもとへ届いたのは、まさかの“ねんきんサバイバル・デスゲーム”への招待状。
しかも辞退不可。
……いやいや、年金を賭けてデスゲームって何ですか!?
そんな強烈な設定から始まる物語ですが、この作品の面白さは、奇抜な設定だけではありませんでした。
物価は上がる。
給料はなかなか上がらない。
財布は冷える。
将来は見えない。
そこへ飛び込んでくる、やたらと熱量だけは高い制度やニュースの言葉たち。
読んでいるうちに、「ぬるい」「冷える」「温まる」「沸騰する」といった“温度”の言葉が、ヌルオの人生だけでなく、社会そのものを表しているように見えてきます。
そして何より好きだったのが、重くなりそうな題材を、とことん軽快なツッコミと「ぬ」で読ませてしまうところ。
笑っているはずなのに、
「……あれ? これ、意外と他人事じゃないぞ?」
と、ふと現実へ引き戻される瞬間があります。
さらに、“デスゲーム”という強烈な言葉に惹きつけられながら読み進めていく、その見せ方も面白い。
目を引く言葉や見出しに、ついこちらの意識まで持っていかれてしまう。
そんな私たちの現実にも重なる視線が、さりげなく物語の中に織り込まれているように感じました。
重いことを重く語るのではなく、笑いながら考えさせる。
――未来はまだ温まらない。
でも、その「ぬるさ」をこうして笑いに変えて見せてくれるからこそ、最後まで楽しく読める作品でした。
さあ、“デスゲーム”の招待状があなたのもとへ届く前に。
ぜひ一度、ヌルオと一緒に未来の温度を確かめてみてください。ぬ😊✨