天翔ける若き箒星

ほぉー、と唸らされました。
主人公がヒポグリフというのがまずユニークですし、また全ての登場キャラクターに一切人間がいない、エルフやドワーフのような人間に近い存在もいない、完全なる「非人間物語」であるというのが何よりも唯一無二感を感じます。
友好的な存在として描かれるならば人間に使われる家畜扱い、いいとこ行って人語を話せない相棒止まりであるヒポグリフですが、同じ牧場の馬たちや他の幻獣らと共通の言語で意思疎通ができているというのが、なんとも優しい絵本の世界のようで、温かみを感じます。
そんな主人公のヒポグリフには、どうやら出生に特別な秘密があるようで……。
その血は争えないのか、徐々に雛とも若駒とも違う、立派なヒポグリフへと成長していく様子が実に良い!

単なるファンタジーとは一味も二味も雰囲気の違う、唯一無二の個性が光る本作、是非ともお楽しみください。

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