みずみずしい若さ。遠い日から猫も幼馴染も現れる。そんなラブストリー。
- ★★★ Excellent!!!
完結前の第58話の時点でレビューいたします。
メインは二人の高校生のまっすぐな恋――です。
それが好きな方はきっととても楽しく、ハラハラしながら読めると思います。また、そうではなくても、かつて高校生だったころに苦しんだこと、悩んだことを覚えている人は、なにか「これ、思い出す感覚だ」と思うのではないでしょうか。
高校生たちが主人公ですが、きっと大人も、高校生以前の方も、無理なく読めると思います。
また恋の話ですが、それ以上のものが書かれています。乗り越えるものを乗り越えたり、現実の辛さに手を差し伸べてくれる大人と出会ったりする要素が、ていねいに描かれています。
紅戸ベニという読者は、わりとそっちのことが気になって気になってストーリーを追い続けた気がします。
音羽と澪は、とてもお似合いなので、恋の心配はしなかった!
完結まで二話を残すのみ。
『音に、音はない。』というタイトルに込められた意味が、まだありそうな予感も、しています。
音羽に、声という音が失われていること。逆に誰かとつながるための伝達の手段に声という空気の振動は絶対に必要なわけではないということ。表裏一体の意味は、今のところあるのじゃないかなーと思っている読者なのですけれど。