午前五時半の訪問客――主役は、誰? 最後にすべてわかります

『バイプレイヤー』は脇役という意味の言葉です。

この作品の流れを作ったのは主人公の朝比奈ではない人物。そちらが主役。そういう意味だと思います。

完結してから読み返すと、第一話の違和感がじつはしっかりと張られた伏線だったんだと気づきます。

なぜ作業がスムーズに進んだのか(それを作品に書いたのか)、なぜ午前五時半という早すぎる時刻なのか。二十四時間体制の行政のしくみがあったとしても一般の生活リズムからはおかしい時間帯でした。

また国澤英一と原見節子は、婚約をして、この物語に登場しました。

たくさんのことが第五話までで奇妙な縁で結びついていると思います。

かといって読みにくい物語ではありません。一読ですっと理解できる筆で書かれています。
読まれる方は、ああかもしれない、こうかもしれないと考えながら進むのも、一興だと思います。

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