概要
推しに「喰われたい」って、どこまで本気で言える?
推しに「喰われたい」と願う少女は、どこまで壊れていくのか。
高校二年生の祈野真依は、家庭では義父との不和に晒され、学校でも居場所を見失い、コンビニで働きながら日々を消耗していた。怒鳴り声と沈黙が支配する家、誰にも必要とされない教室、同じ作業を繰り返すだけのレジの前。そんな彼女にとって唯一の救いは、インディーズバンド「Crimson Cat」のボーカル・Masakiの存在だった。彼の声に触れている間だけ、自分が生きていると実感できる。やがて真依の想いは、「愛されたい」から「喰われたい」という歪んだ願望へと変質していく。
ライブに通い続ける中で、Masakiがファンに手を出しているという噂を知りながらも、真依はそれを“特別に選ばれた証”として羨望する。選ばれた誰かと、選ばれない自分。その差を
高校二年生の祈野真依は、家庭では義父との不和に晒され、学校でも居場所を見失い、コンビニで働きながら日々を消耗していた。怒鳴り声と沈黙が支配する家、誰にも必要とされない教室、同じ作業を繰り返すだけのレジの前。そんな彼女にとって唯一の救いは、インディーズバンド「Crimson Cat」のボーカル・Masakiの存在だった。彼の声に触れている間だけ、自分が生きていると実感できる。やがて真依の想いは、「愛されたい」から「喰われたい」という歪んだ願望へと変質していく。
ライブに通い続ける中で、Masakiがファンに手を出しているという噂を知りながらも、真依はそれを“特別に選ばれた証”として羨望する。選ばれた誰かと、選ばれない自分。その差を
銀河の祈りに触れてくれてありがとう。静かな感動が届きますように。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!現実というパンドラの箱の奥底に眠るたった一つの希望……私を喰べて♡
暴力的で家庭を顧みない義父、水商売で働く母親、暴力と破綻した家庭という絶望の中、真依が抱くたった一つの希望はインディーズバンドのヤリチンボーカル Masakiに喰われることだった。
彼女にとって、Masakiは神であり、宗教であり、自分という絶望をせめて消費して欲しいと願えるたった一つの希望。
短く削られた文体からは真依の叫びのような描写が紡がれ、軋むような生活の様子が浮かぶ。
そのどこにも救いはなく、ただ絶望に突き進むだけにしか見えないが、それでも真依はMasakiに喰われることをただ求め、必死に金をかき集めて、ライブに向かう。
その絶望というパンドラの箱の底にあるものは果たして…… - ★★★ Excellent!!!推しの声に縋り堕ちていく。一人称描写が胸にくる、綺麗にまとまった話。
『私だって喰われたい』は、推しへの「好き」が祈りみたいに純粋で、それなのにタイトル通り、少しずつ危うい方向へ転がっていくお話でした。
主人公の真依は、家では義父からの虐待、学校でも居場所が薄くて、コンビニとライブハウスを往復する日々。そんな彼女にとって、インディーズバンドのボーカルMasakiの声だけが「生きてる」実感になっていて、その想いが自虐的な思考にまで沈んでいきます。
文章がすごく“体感”寄りで、照明が落ちる瞬間の鼓動とか、会場の空気の温度とか、音の描写とか……一人称でぐいぐい入ってくる感じがすごいです。短い話数なのに、じわじわ深く沈んでいく構成も上手くて、気づいたらページをめく…続きを読む