概要
大陸中央部の乾燥地帯に広がる、東西南北を縦横に結ぶ交易路の一大中継地。
そして、金と武力があれば法も善悪も覆る“剣と無法の世界”。
乾いた風吹く大地をさすらう、三十路を迎えた一人の侠客がいた。
男の通り名を六道(りくどう)という。東国人(タムガジュ)特有の黄色い肌に黒い髪を持ち、高い上背と巌のような肉体を誇る強面だ。
剣の腕は大陸でも最高峰の遣い手であり、また怪我や病気を癒したり己の身体能力を高める「氣功術」も入神の域にある。
ところがこの男、強い相手にはめっぽう強いが弱い者にはとことん弱い。いくらでも高く売れる腕を持ちながら、困っている誰かがいれば只同然で一肌脱いでしまうのだ。
「このスーリで物を言うのは、金の力と暴力だ。持たざる者は白いエルフも黒にされ、持てる者なら
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- ★★★ Excellent!!!翠利の風来坊
西方と東方、北方と南方が混じり合う我々の知らない幻想大陸とも呼べる世界の交易路のオアシス。
そこを牛耳る悪の首領に民は踏み躙られていた。
しかし、通りすがりの侠客の六道がコボルトの青年に手を差し伸べたのが始まりだった……。
懐かしのとあるテレビシリーズの時代劇ドラマや、それと競い合ったドラマの原作小説、直木賞作家の若き日のピカレスク・ロマンを彷彿とさせ、それでいて六道の粋な男っぷりが読んでいて何と痛快な事かと思わず唸ってしまいます。
賭博のシーンの乾いていて生々しい駆け引きもシビれ、女性に対する態度もニクくて、格好良いんですよねぇ。
勿論、キャラクターの魅力もありますが文章の構成が実に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!砂漠やオアシスへの郷愁をそそる武侠大作
一読して圧倒された。
読んですぐレビューを書かなかったのは、自分の中の興奮を抑えるのに時間がかかったからである。
賭場の場面に興奮した。
自分も賭場を書いたことはあるが、オアシス都市の賭場の描写は破格で、作者の豊富な知識と想像力に脱帽した。
初めて耳にする異国のエキゾチックな言葉も魅力的だ。
「マシュカーズラ」「天(アーセマン)」「地(ザミーン)」
読者をあっという間に武侠の世界に引きずり込む、そんな麻薬的な効果がある言葉だ。
主人公の六道のキャラもよかった。
こういう「義を見てせざるは勇無きなり」タイプのヒーローは、最近めったに見ない。
最近のヒーローはみんな斜めに構えすぎだから、六道…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「自分から面倒ごとに首を突っ込んでくとはね。奇特なお人もいたもんだ」
義と情に生きる漢、六道。
彼は、陰謀と悪意渦巻く異国の地で人々を救う任侠である。
オアシス都市セルードの外れで出会ったのは、涙にくれるコボルトと、それを慰める幽霊たちだった。
事情を聞けば、コボルトは罠にかけられ、有り金と通行手形、そして家族探しの路銀を奪われたという。
――そんな大事な金をか。グオ・ルーとかいうの、人の皮を被った鬼畜外道だ。
罪もない若者が人生破滅しようとするのを見て、六道は素通りできるわけがない。
六道はグオ・ルーが取り仕切る賭場へと足を進めることとなる。
仁義と激情の異世界活劇、ここに開幕! - ★★★ Excellent!!!武侠×オリエンタルファンタジー!
この物語の舞台は、セルードというオアシス都市。
そこではゴブリンもドワーフも種族として暮らしているのですが、不思議と全体に武侠感を感じ取ることができるのです。
主人公の六道は、様々な経緯を経てセルードに辿り着いた東国人。
虐げられている人、困っている人間を見過ごすことができず、つい厄介ごとに首を突っ込んでしまいます。
相手はずる賢く手ごわい相手。
果たして六道は弱きをたすけることができるのか……?
この作品の魅力は西洋・中東・武侠の要素が見事に調和していて、スーリ九ヶ国という架空の世界を見事に描写し、武侠作品として描き出しているところだと思います。
そこに住まう人たちにも、そして悪役にも…続きを読む