あの部屋にいた彼女

主人公・蓮見涼介（35）は、平凡な保険営業マン。だがある日、20年前に「少女を死なせた」記憶が蘇る――それは、中学時代、仲間とともに「とある遊び」をしていた中で起きた“事故”。少女の遺体は誰にも見つからず、事件は闇に葬られた。

だが、その事件に関わっていた友人たちが、相次いで自殺・失踪していく。全員、何かに怯えていた。

その矢先、蓮見のもとに、一通の手紙が届く。

「あなたが“彼女”を閉じ込めた部屋は、まだ開いています」

彼女とは誰か？誰が手紙を出したのか？
蓮見は真相を確かめるべく、20年前に訪れた“あの山荘”を再訪する。だがそこには、20年前と変わらぬ姿で、「少女」が待っていた。

そして彼は、「罰」と「愛」と「贖罪」の名のもとに、自らその部屋の鍵を閉める。