概要
皆、みんな、トンネルの中
俺、之治《ゆきじ》、柳介《りゅうすけ》、静《しず》、美智子《みちこ》、幸子《さちこ》の寄せ集めの六人は、其々願いがあった。だから神様に縋るために神様がいると言うトンネルの暗い、暗い通路を進んでいた。
「幸子がいない」
口火を切ったのは誰だったか。
誰もがその可能性に気がついていて、そうして誰もが口にしなかった。殆ど一列に並んで進んでいたトンネルの中、一番後ろに居たはずの幸子は姿を消していた。
トンネルには噂があった。トンネルの先には神様がいる。だから、トンネルに入ったものは、神様が気に入らなければ消えてしまうよ、とそんな話があった。
トンネルは道を引き返せば祟られる。あるいは、元いた所へ帰れなくなる。そう言われている。
柳介、静、美智子の三人は進むと言った。願いのために来たのだから、進む
「幸子がいない」
口火を切ったのは誰だったか。
誰もがその可能性に気がついていて、そうして誰もが口にしなかった。殆ど一列に並んで進んでいたトンネルの中、一番後ろに居たはずの幸子は姿を消していた。
トンネルには噂があった。トンネルの先には神様がいる。だから、トンネルに入ったものは、神様が気に入らなければ消えてしまうよ、とそんな話があった。
トンネルは道を引き返せば祟られる。あるいは、元いた所へ帰れなくなる。そう言われている。
柳介、静、美智子の三人は進むと言った。願いのために来たのだから、進む
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