友情と絆、そして家族の物語。


『失われた父との再会を信じ、少年は相棒のぬいぐるみと異世界へ旅立つ』
このキャッチコピーはすごく良いと思います。どんな物語が待っているのか、読む前からわくわくするのです。相棒がぬいぐるみとはいったいどいうこと····? というところから、もうファンシーでファンタジーじゃないですか?

主人公である小学六年生のタケルくん。亡くなってしまった父に会うため、犬のぬいぐるみイトーヌと共に異世界へと旅立つのですが····。もちろん簡単にはいきませんよね。おもちゃ箱から繋がる不思議な世界。まさかのおもちゃ箱が異世界への入り口で、冒頭からぬいぐるみがおしゃべりしております。

しかもこのイトーヌ。
ちょっと····いやけっこうぬけてます(笑)

ふたりのやりとりは微笑ましく、時にドタバタしながらも絆を深めていくのがまた良いのです。しかし一見ほのぼのファンタジーと見せかけて、実は家族間の問題だったり、お母さんの存在とか····。とにかくこれは読んで感じで欲しいところ。

最後まで読み終えた後の、読後感とラストの一文に小さな希望もあって非常に良かったです。

はじめて書いた作品とあってびっくりしております。少年とぬいぐるみの冒険譚、そしてこれは確かに家族の物語。とても素敵なお話でした。タケルくんがどんな冒険をしてなにを得たのか。それは読んでからのお楽しみ♪

オススメです(*˘︶˘*).。.:*♡

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