呼び鈴は鳴っていない

深夜2時、毎晩同じ時刻に鳴る呼び鈴。インターホンのモニターには誰も映らないのに、スマートフォンで撮影すると背を向けた白い女性の姿が。35歳OLの佐伯理佳は次第に精神的に追い詰められていくが、やがて呼び鈴は鳴らなくなり、代わりに扉の向こうから直接「ノック」と「声」が届くようになる。孤独な都市生活の中で理佳を見守っていた同僚の成瀬真弓は、理佳の失踪後、自分もまた同じ現象に巻き込まれていくことに気づく。現代テクノロジーを通してのみ見える怪異と、監視と被監視の恐怖が交錯する都市型心理ホラー。