ジョアイディとファデハト・エル・ジェマル

『匂える園』の第9章ジョアイディを主人公にしたジョアイディの物語。


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 CHAPTER IX

 SUNDRY NAMES GIVEN TO THE SEXUAL ORGANS OF WOMEN

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 古きバグダードの街路は、香辛料の芳しい匂いが漂い、ジャスミンの花弁が風に舞い、秘密の囁きが人々の唇から唇へと渡される場所であり、そこに一人の男が住んでいた。


 その男こそジョアイディという名の道化者で、彼は笑いの仮面を被りながらも、内心に燃え盛る情熱を秘め、女たちの玩具となり、子どもたちの英雄となり、老いた者たちの慰めとなり、王侯貴族の宴席を賑わす存在として、誰もが彼を愛し、寵愛を注いだのだった。


 ジョアイディの顔は常に陽気な笑みで彩られ、色とりどりの衣装を纏って街を跳ね回り、その機知に富んだ言葉は剣のように鋭く、厳格な大臣の眉を解きほぐし、荘厳な宮殿を喜びの渦に変える力を持っていた。


 そんな彼の心の奥底には、単なる笑い以上のものが潜んでおり、それは肉体の悦楽への飽くなき渇望であり、女たちの柔らかな肌に触れ、甘い吐息を吸い込み、隠された秘所を探求する喜びこそが、彼の人生の真の原動力となっていたのである。


 彼は数え切れぬ女たちを愛し、若い娘たちの瑞々しい唇を貪り、熟れた寡婦たちの豊満な乳房を揉みしだき、異邦の旅人たちの白く滑らかな太腿を撫で回し、その舌の巧みさと指の繊細さ、そして何より噂に上るその男コンの壮大さと耐久力によって、彼女たちを恍惚の境地へと導き、夜ごと彼女たちの寝床で快楽の宴を繰り広げ、朝になるとまた新たな獲物を求めて街を彷徨うのだった。


 そんな彼の魂を最も強く揺さぶる一人の女がおり、それが近所に住むファデハト・エル・ジェマル、すなわち「美の朝焼け」と呼ばれる絶世の美女であり、彼女の存在はジョアイディの心を焦がし、他の女たちとの交わりがどれほど甘美であっても、彼女だけが彼の究極の欲望の対象として、夜ごと夢に現れ、眠りを奪うのだった。


 ファデハト・エル・ジェマルは、神々がこの世に贈った完璧な傑作であり、彼女の頬は雨後の砂漠の薔薇のように鮮やかに咲き誇り、額は月明かりに照らされた百合の花弁のように純白に輝き、唇は深海の珊瑚のように赤く艶やかで、歯は真珠の連なる宝石のように白く整い、乳房は熟れた石榴の実のように重く弾力に満ち、声は溶けた砂糖のように甘く響き、肉体全体は新鮮なバターのように柔らかく滑らかで、しかもダイヤモンドのように純粋で欠点のない美しさを放っていた。


 特に彼女の陰ブ――それは『匂える園』に記された最高の女イン、エル・ケウスと称されるもので、白くふっくらと盛り上がり、中央は紅玉のように赤く熱く乾いており、触れるだけで火が噴き出さんばかりの温かさを湛え、歩くたびに衣の下で優雅に揺れ動き、寝そべれば子山羊が穏やかな丘に横たわるような優美な姿を現し、その秘所の深さと締めつけは、男を狂わせるほどの魔力を秘めていたのである。


 しかし、ファデハトの心の内側は、その外見の完璧さとは裏腹に、複雑で深い渇望と孤独の渦に満ちており、長年、夫を失った寡婦として生きる中で、周囲の男たちの浅薄な視線に晒されながらも、真に自分を満たすことのできる相手を待ち望み、夜ごと一人で寝台に横たわり、自分の指で秘所を慰めながら、想像の中の理想の男コンを思い浮かべ、胸の奥で燃え上がる炎を抑えきれず、涙を流すほどの欲求不満に苛まれていた。


 そんな彼女の心理は、ジョアイディのような道化者が近づくたびに、嘲りの仮面で覆い隠され、謎めいた詩を吟じて彼を遠ざけようとするものの、心の底では彼の陽気さと噂される男コンの力強さに惹かれ、しかし過去の失望から生まれる恐れが、容易に体を許すことを阻み、彼女を内なる葛藤の渦に陥れていたのである。


 ここで、ファデハトの過去の喪失を深掘りするならば、それは彼女がまだ若く、夫アブドゥルと名高い裕福な商人の妻として幸せな日々を送っていた頃に遡るのだが、アブドゥルは砂漠の交易路で名を馳せた男で、彼女の美しさを宝石のように大切にし、毎夜彼女の体を優しく愛撫し、男コンで彼女の秘所を満たすことで、彼女にこの世の至福を教えてくれた存在だった。


 ある嵐の夜、交易隊が盗賊に襲われ、アブドゥルは勇敢に戦った末に命を落とし、彼女のもとに届いたのは血に染まった彼の衣と、永遠の別れの報せだけであり、その瞬間、ファデハトの心は粉々に砕け、悲嘆の叫びを上げて床に崩れ落ち、胸を掻き毟り、髪を乱して泣き続けたのだった。


 それ以来、彼女の心理は深い喪失感に囚われ、夫の温もりを思い出すたびに秘所の奥が疼き、男たちを近づけようとするものの、誰もがアブドゥルの男コンの大きさと優しさに及ばず、交わりを試みるたびに失望が積み重なり、心の傷をさらに深くえぐり、彼女は次第に男たちを嘲る詩で遠ざけるようになり、内なる炎を一人で抱え込み、夜の闇で夫の幻影を追い求め、指を秘所に挿し入れながら「アブドゥル、あなたの柱が恋しい」と呟き、涙と蜜を混ぜて自慰に耽る日々を送っていた。


 この過去の喪失は彼女の欲望を異常なまでに増幅させ、ジョアイディのような男が現れた時、ようやくその傷を癒す可能性を見出し、心の奥で「この男なら、アブドゥルの代わりになるかもしれない」との希望と恐れが交錯し、彼女の行動をより激しく、情熱的に駆り立てる原動力となっていたのだった。


 ジョアイディはその女を激しく欲し、他の女たちがいくら甘く寄り添い、唇を重ね、乳房を差し出し、首筋を舐めさせても、ファデハト・エル・ジェマルだけは彼の接近を冷たく拒み、代わりに謎めいた詩を吟じて彼を嘲るのだった。


 その詩は彼の心をさらに掻き乱し、意味のわからない言葉が耳に残り、夜の闇の中で彼の男コンを硬くさせ、孤独な自慰の果てに彼女の幻影を追い求めることになったのである。


「山の頂に、しっかりと張られた天幕が見えるわ。空高く、誰の目にも明らか。けれど、その天幕を支える柱は、抜かれてしまった。取っ手の無い壺のよう、縄は解け、中央は落ち込み、まるで釜の底のようにくぼんでいる……」と彼女は繰り返した。


 その言葉の奥に潜む謎がジョアイディの心理を苛み、彼は学者や賢者たちにその意味を問い質したが、誰も解き明かすことができず、ついに遠くの国に住む大賢者アブー・ヌワースのもとへ旅立つ決意を固め、砂漠の風に吹かれながら馬を駆り、灼熱の太陽の下で汗を流し、ようやくその賢者の庵に辿り着いたのだった。


 アブー・ヌワースは詩を聞き、静かに微笑みながらジョアイディの顔を覗き込み、「その女はお前を愛しているが、お前の男コンが小さすぎると思っているのだ。彼女が求めているのは、驢馬のごとき巨コンで、天幕を支える柱――それがお前の陰ケイのことだ。壺の取っ手も同じ。


 彼女は言う、『この男では、私の釜は煮えたぎらぬ』と」と説明し、ジョアイディは激しい怒りと興奮に身を震わせ、「私のものは十分に大きい!」と叫び、衣をたくし上げてその勃キした男コンを露わにした。


 賢者は目を細めてうなずき、淫らで美しい返詩を教えたのだったが、その詩は男コンを「釜をかき回す長くて固い杓子」にたとえ、女インを「熱い釜」にたとえる、はしたないまでの露骨さを持ち、ジョアイディの心に新たな炎を灯し、彼はそれを暗記してバグダードへ急ぎ戻ったのである。


 夜の帳が降り、月明かりが庭の泉を銀色に染める中、ジョアイディはファデハト・エル・ジェマルの館の戸を軽く叩いた。


 彼女は夜着姿で現れ、髪を解き放ち、胸元が大きく開いて白い肌を覗かせ、息を荒げながら「神の敵め、何の用?」と問うた。


 ジョアイディは「大事な用だ」と答え、彼女は奴隷に命じて扉を閉めさせ、再びあの謎の詩を吟じ始めたが、この時ファデハトの心理は、ジョアイディの突然の訪問に心臓が激しく鼓動し、長年の孤独が一瞬で揺らぎ、表面上は冷たく振る舞いつつも、内なる声が「この男なら、ようやく私の渇望を満たしてくれるかもしれない」と呟いた。


 しかし過去の男たちによる失望の記憶がフラッシュバックし、信頼と恐れの間で心が引き裂かれ、詩を吟じる声さえ微かに震えていたのである。


 ジョアイディは微笑みを浮かべてゆっくりとアブー・ヌワースの詩を語り始め、「我慢しておくれ、ファデハト・エル・ジェマルよ。お前の言葉の意味、ようやくわかった。おお、愛する者よ、誰もがお前に酔う。私のこの柱を見よ、測ってみよ。女たちはこれを味わうと、狂ったように恋をする。遠くからでも柱のようにそびえている。勃キすれば衣を押し上げ、恥ずかしいほどだ。


 さあ、この釜をかき回す杓子を、お前の山と山の間にある天幕の中へ、奥深く、熱く、決して萎えぬままに……」と続け、詩が進むにつれ彼女の瞳が潤み、頬が紅潮し、太腿が小刻みに震え、息が熱く乱れ、秘所の奥から甘い蜜が滴り落ちるのを感じ、ファデハトの心理はこれまでの嘲りの仮面が剥がれ落ちた。


 詩の言葉一つ一つが彼女の心の奥底に刺さり、長年抑え込んできた欲望が堰を切ったように溢れ出し、「この男は本物だ。この柱なら、私の釜を完璧に掻き回してくれる」との確信が芽生え、恥辱と喜びが混じり合い、体全体が熱く溶けていくような感覚に支配され、理性が薄れ、原始的な本能が彼女を駆り立てるのだった。


 詩が終わると同時に、彼女は獣のような咆哮を上げてジョアイディに飛びかかり、「この嘘つき!道化者!見せてみろ、その杓子を!」と叫びながら彼の衣を乱暴に引き裂き、既に天を突くように勃キした男コンを握りしめた。


 その熱さと硬さに触れた瞬間、ファデハトの心は喜びに震え、長い間抑えていた情熱が一気に噴き出し、涙を流しながらそれを口に含み、舌を絡めて貪るようにしゃぶり、彼女の心理は「これだわ、この大きさ、この硬さこそが、私の空虚を埋めてくれるもの」との恍惚に満ち、過去の男たちの不甲斐なさが脳裏をよぎり、対比してジョアイディの男コンが神々しくさえ感じられ、口内の感触が彼女の秘所をさらに熱くさせ、涙は喜びの証として頰を伝い、彼女の魂はようやく解放される予感に包まれたのである。


「ここじゃだめ……寝室へ……」とジョアイディが囁くと、彼女は首を激しく振り、「待てない!今すぐここで!この熱い釜が焼け死にそうよ!」と喘ぎ、床に仰向けになり、夜着をたくし上げて白くふくらんだ秘丘を露わにし、月明かりがその紅い中心を照らし、開いた花弁のように濡れ光る女インを晒した。


 この時ファデハトの心理は、恥ずかしさと興奮が交錯し、普段の気高さを捨てて自ら体を開く行為に戸惑いつつも、内なる炎がそれを押し進め、「この男にすべてを委ねてしまいたい」という衝動が理性の壁を崩し、秘所の露出がもたらす解放感に酔い、ジョアイディの視線が彼女の美しさを称賛するように感じられ、心の奥で長年の孤独が溶けていく喜びを味わっていたのだった。


 彼はゆっくりと先端を彼女の入口に当て、触れた瞬間、彼女の全身がびくんと跳ね上がり、甘い悲鳴を上げ、爪を彼の背中に立て、「もっと……奥まで……全部入れて!」と懇願し、ジョアイディは彼女の深さと熱さに驚きながら、男コンを沈めていき、彼女の女インは驚くほど深く、熱く、男コン全体を呑み込んだ。


 締めつけがまるで生き物のように脈動し、二人は激しく動き始め、彼女は腰を振り回し、ジョアイディを吸い上げ、心理の奥底で長年の孤独が溶けていく喜びを感じ、「中心を!中心をかき回して!そこよ!」と叫び続け、この交わりの最中、ファデハトの心は絶頂の波が訪れるごとに、過去の喪失感が洗い流された。


 ジョアイディの動き一つ一つが彼女の魂を揺さぶり、「この男なら、私を永遠に満たしてくれる」との幻想を抱き、汗と蜜が混じり合う中、互いの体が一つになる感覚に没頭し、恥辱を超えた純粋な快楽の境地に至り、彼女の心理は複雑な層を成し、表面の情熱の下に潜む脆弱さと、女としての本能的な充足への渇望が、物語に深い奥行きを与えていたのである。


 一回目の絶頂が訪れ、二人は同時に震え、彼女の女インが男コンを強く締めつけ、ジョアイディの精が彼女の奥深くに注ぎ込まれ、ファデハトの心理は満たされた充足感に包まれつつも、すぐに新たな渇望が芽生え、男コンを抜かせず、再び動き始めた。


 この瞬間彼女の心は「この温かさ、この満ち足りた感覚こそが、私の人生に欠けていたもの」と実感し、しかし同時に「これを失ったら、再び孤独に戻ってしまう」という恐れがよぎり、ジョアイディへの執着が強まり、二人は夜通し交わり、位置を変え、彼女が上になり、下になり、横になり、二十七回もの絶頂を繰り返した。


 ジョアイディの体は疲労に苛まれながらも、彼女の淫らな魅力に囚われ、心理は恐怖と快楽の狭間で揺れ、彼女は満足げに笑い、「もう離さない……この杓子は私のものよ……」と囁き、この言葉の裏側でファデハトの心は、ジョアイディを永遠に自分のものにしたいという独占欲と、過去の喪失体験から来る不安が交錯し、朝の光が差し込むまで、二人の体は絡み合い、甘い喘ぎと肉のぶつかる音が部屋に響き渡り、彼女の心理は交わりの果てに、ようやく訪れた平穏と、次の出会いへの渇望が混在する複雑な余韻に浸っていたのだった。


 やがてジョアイディはなんとか抜け出し、アブー・ヌワースのもとへ駆け戻り、「二十七回……一夜で二十七回です……あれは人間の女ではありません。魔女です。結婚を迫られていますが、娶れば命が縮みます」と告げた。


 賢者は大笑いし、「ジョアイディよ、お前は勝った。だが、勝ちすぎた。あの女は、お前を食い殺すつもりだ」と諭した。


 ジョアイディはため息をつき、「それでも……また行きたいのです。あの釜の熱さ、あの深さ、あの締めつけ……一度味わったら、もう他の女では満足できません」と呟いた。


 賢者は肩をすくめて「それが女というものだ。男はみな、結局はその釜に呑み込まれる」と答えた。


 この時ファデハトの心理は、ジョアイディの去った後の館で、寝台に横たわり、体に残る余熱を感じながら、「彼は戻ってくるわ。私の体が彼を呼んでいる」と確信し、しかし心の奥で「もし彼が他の女に奪われたら」という嫉妬の影が忍び寄り、彼女の人生に新たな章を刻む予感に胸を膨らませていたのである。


 ジョアイディは再び「美の朝焼け」の館へと消えていったが、その後、彼がどうなったかは誰も知らず、ただ街の人々は時折、夜更けに遠くから聞こえる女の絶叫と男の笑い声を耳にし、ジョアイディが最高の女インに永遠に囚われたのだと噂したのだった。


 ファデハトの心理は、その噂の中でさえ、満足と不満の狭間で揺れ動き、彼女の物語は単なる肉欲の饗宴ではなく、女の心の深淵を描く鏡として、永遠に輝きを放つものとなったのである。


――道化者は、ついにその園の奥深くに迷い込み、二度と戻らなかったが、美の朝焼けは、心の炎を燃やし続け、新たな夜を待ちわびていた。

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インドの官能(古代~近世官能シリーズ①) ✿モンテ✣クリスト✿ @Sri_Lanka

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