羊たちの沈黙よりも

千猫怪談(千猫菜)様の
『腐乱屋敷の革細工』
を読ませていただいた。
上質なスリラーホラーだった。
このお作品を読ませていただいたとき、1つの作品を思い出した。
『羊たちの沈黙』
アメリカの小説家トマス・ハリスによる小説。後に映画化された。
凶悪な猟奇殺人鬼ハンニバル・レクター博士を主要人物に据えて、FBIの訓練生クラリス・スターリングが、バッファロー・ビルと呼ばれる猟奇殺人鬼と対決する活躍を描いている。
羊たちの沈黙はいかにも、ハリウッド。とにかくお金をかけた、商業的な演出がされた作品。
対して、『腐乱屋敷の革細工』
これがスゴく良い。
いい意味で、日本の良さが出ている。
横溝 正史の金田一耕助シリーズ。
田舎の因習や血縁の因縁を軸としたお話。
リングや、呪怨などの陰湿な怨念による恐怖。
日本ならでは特徴を活かした独特の雰囲気。それが、千猫怪談(千猫菜)様のお作品には感じられる。

夢の中の住人はいつもと変わらぬ様子で朝食を迎える。ぬるく湿ったパンと黒ずんだ果物と焼きすぎた目玉焼き。

冒頭のこの描写にヤラれた。
グッとつかまれたのである。
日本ならではの雰囲気がただようスリラーホラー、お見逃しなく。

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