「メリー、メリー・クリスマス、こちらサンタクロース。月面よりお送りしています」
月面基地からヒューストンの家族に通信が繋がった。
今日はクリスマス。
見慣れた自宅のソファに妻と幼い娘の姿がある。
サンタからもらったというクマのぬいぐるみにはしゃぐ娘。
微笑み、「地球には予定通り帰れるの?」と妻はたずねる。
男は答えた。
来年の春先には君らと月を見上げているはずさ、と。
昔々、地球は青いと宇宙飛行士は言った。
主人公が月から眺める地球もさぞかし美しいことだろう。
わたしも見てみたいと思った。
クリスマスの日、
“バイクでぶっ飛ばせば半年”の距離の月と地球を、愛しさが繋ぐ。
「約束ね?」
「ああ、約束だ」
月は今日も輝いている。
小学生の夏、アポロ11号が月に到着した。大人になった頃には、普通に月旅行に行けると思った。それは叶わなかったが、通信やAIの発達は目覚ましい。好き嫌いに関係なく、私達は技術の進歩に巻き込まれている最中だ。
この作品を読むとAIの怖さよりむしろ憐れさを感じる。ビッグバンで生まれたという宇宙に現在生きる人間は、神の似姿なのだろうか?無機物から長い間をかけて人間が生まれたのは必然なのか?そして人間が作ってしまったAIは何処まで人間に似るのか?人間と決定的になにが違うのだろうか?おそらく人間と対立するであろうAIは悲哀を学び、涙を流しながら人を支配する。(かも知れない)