異世界王子を……コンサル!? まさかの組み合わせが読者を唸らせる。
- ★★★ Excellent!!!
「お前、異世界って信じるか?」
密かに異世界と繋がった現代日本。
そのプロジェクトに関わることになったやり手サラリーマン片桐。
その世界で疎まれた第四王子アレクトの、辺境にして未開の地の領地開拓を「コンサル」していく。
まず驚くのはリアリティだ。情景描写が緻密で、嘘くささがない。
現代知識で無双するタイプかと思いきや、この物語には予算、人員、エネルギー、質量といった現実的な制約がきっちりある。だからチート感がなく、読んでいて自然に一緒に踏ん張りたくなる。応援したくなる。
キャラクターも魅力的で、行動と心理に納得感がある。ブレずに一貫して描けているのは、作者が人物を深く理解している証だと思う。
視点も安定していて、神視点が苦手な私でも安心して読める。緻密にして軽快、テンポが良くて滑るように読めるのに、舐めるように読み返したくなる。この文章力に思わず嫉妬してしまう自分がいる。
何より私は、こういう骨太な物語が好きだ。
——ぜひあなたにも好きになって欲しい。