青春の1ページにするにはあまりにも切なすぎる


舞台は海の見える町でしょうか。都会ではないが田舎にしては賑やかそうなそんなイメージ。懐かしいような新しいような情景と、さまざまな色彩に溢れた文章が美しいのです。
そんな景色に溶けるように、ふたりの少年が浮かび上がり、やがて物語を紡ぎ始めます。恭介と遊里。ふたりはまったく違う。けれども一緒にいると、パズルのピースがハマるようにしっくりくる感じ。そんなふたりに突きつけられたのは、別れ。遊里は東京に行くことになった、らしい。

思春期の男子の曖昧な距離感。
お互いに気付いているのかいないのか。
口を伝って出た言葉。
ふたりは友だち。
それ以上のなにか。

読み終えた後の余韻がじんと残る、素敵な作品です。全3話に込められた青春の1ページをぜひ。

オススメの短編作品です✨


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