ボクらのお家

　ぬいぐるみ目線のお話です。
　お土産売り場で並んでいる時には、その他大勢のキーホルダー。でもひとたび手に取られ、買われ、家に連れ帰ってもらって、名前をつけられちゃったら、もう……！

　特別な瞬間を迎えて、すっかりいい気分になったパンちゃんは、持ち主の「なっちゃん」の一言で、気分が激しく浮き沈みします。

　誰かの「特別」になれるって、すごく嬉しいこと。
　でも、本当にボクだけが特別なのかな？

　幸せいっぱいのパンちゃんでしたが、ある時、とある事件が起こって……。

　与えられる愛から与える愛へ。
　ちょっと大仰ですが、そんな人生のテーマを優しい言葉で教えてくれるような、温かな成長物語で…続きを読む

ぬいぐるみには、綿と一緒にハートが詰まってる——から、様々感情を抱えながら持ち主のそばにいるという設定が、とにかく可愛いです。

そして、そんなぬいぐるみの視点で描かれた本作は、とにかく健気です。
名付けてもらえて嬉しい反面、先住ぬいぐるみたちに嫉妬を覚えたり、
一緒にお出かけして特別感を噛み締めたり、
思わぬハプニングによる喪失感と不安感が、とにかく不憫可愛いです。

そして、やがて悟りの境地を開くが如く達観し、穏やかな日常を過ごすぬいぐるみたち。

綿と一緒にたくさんの可愛いが、ぎゅっと詰まった優しい世界のお話です。

あなたのおうちにはぬいぐるみたちがいますか？
その子たちに、「ただいま」って、言ってあげていますか？
このお話を読んだら、ハートがふかふかになります。

主人公はボールチェーンのついた小さなぬいぐるみ。
修学旅行でテーマパークにやってきた女の子に購入され、妹のなっちゃんへのプレゼントとなりました。

なっちゃんに名前をつけてもらって自分は特別な存在だと有頂天になるぬいぐるみだが、
なっちゃんの部屋にいるたくさんのぬいぐるみたちは、全員それぞれの名前を持っている。

月日を経て主人公は、やがて大切なことに気づきます。
小学生にも読んでほしい心あたたまる短編です。