絶望の3日間を塗り替える、孤独な令嬢と魔王の「共犯」

断頭台を前に時間が巻き戻った先は、無実の罪で逮捕されるわずか3日前。魔力ゼロと虐げられた侯爵令嬢カリナが、生き残るために選んだのは、禁忌の魔王と契約しその花嫁になるという狂行でした。

本作の魅力は、単なる逆転劇に留まらない重厚な世界観と、刻一刻と迫るタイムリミットが生む緊張感です。特に注目すべきは、カリナが封印を解く前に、何者かが「魔法陣を書き換えていた」という不穏な事実。誰が、何の目的で? 恋愛や復讐の裏側に潜むミステリー要素が、物語に深みを与えています。

孤独な二人が、世界を欺く共犯者として歩み出す姿は、残酷ながらも至高の美しさを放っていて、とても面白かったです。

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