宇宙ではよくあること。

地球は滅亡した。
異惑星の大陸横断鉄道に揺られ、今はなき地球のような車窓風景に想いを馳せる。

>「……チキュウはもう滅んでるんでしょ。それはとっても残念なことだけど、惑星開発ってそういうもんだよ」
そう言ってのけるヤモリ。しっとりした大きくて温かい手。メランコリックと焦げた匂い。

生まれ育った惑星が違えば感覚も違うだろう。宇宙ではよくある話だ。
毛が有ったり無かったり。好みも違うだろう。宇宙ではよくある話だ。

強制移住させられたリホが向かう先は、アメリカ・アリゾナ州の地球システム科学の研究施設『バイオスフィア2』(バイオスフィア=生物圏)を彷彿とさせる博物館。
地球の環境を失わずに済む方法は、地球の外にあるのかもしれない。

みんなが知っていることと、自分だけの秘密がある。それも宇宙ではよくある話だ。

今日は明日で、今は何処だろう。
地球は滅亡した。それでも僕らは、前を見て進んでゆく。

再読してあらためてのレビュー。
何度読んでも、時空を超えるヤモリのモケッぷりを堪能できる素晴らしい作品です。