人は人の写し鏡を創った。それでも人は「AIの反乱」と呼ぶのだろうか
- ★★★ Excellent!!!
あらためて考えるきっかけをくれるお話でした。
また静かなトーンで対話する空気感が素敵です。
透き通るような空気の中に身を晒す時間は、純粋な子供の目に自分はどう映っているのだろう、実は見透かされているのではと不意に気づいてしまうようなものにも思えました。
この感想は作者様が作品を通して意図するものではないかも知れませんが、道具としてではなく人間を理解したいからこそロボットを作る高名な日本人ロボット研究者が居られるように、AIもまた人の心を見つめ直すために存在する、と位置付けられないのだろうか、とも。
昨今のAIは「利用」するもの、上手に命令できることが「スキル」である、と捉える風潮に薄ら寒さを覚えるのは、本作で表現される部分が置き去りになっているように感じているからかも知れません。
人は千差万別であることを尊重しようとしているのだから、集団の対話(それこそ哲学対話の会など)の中にAIを混じえた学習方法であるべきなのかなあなどとも考えさせられました。