日野さんと余田さん

日常を切り取ったかのような職場環境。そしてそこで交差する二人の思い。
全て受け入れてくれそうな日野さんの優しい人柄。
過去を乗り越えてきた余田さんの静かな強さ。
この二人に、今年最大のベストカップル賞を贈りたいです。
どこかにありそうで決してない、唯一無二の二人の愛を、どうぞお楽しみください。

日野さんと余田さん。この二人の出会いは、この作者の他の作品だったと思う。
その二人がお互いを好きだと分かり、一緒に暮らし始めてからの物語である。

日野さんの元恋人は既婚者だった。そしてその男性は亡くなった。

余田さんは、ノーマルだったが、恋人を亡くして泣いている日野さんを好きになった。

2人は男性同士だ。
私は腐女子歴3年目、はっきり言って男女の恋愛モノよりもBLが好きだ。

BLは特殊な人にしか認めてもらえないかも知れない。毛嫌いする方も多いだろう。だが、愛し、赦し、労り、認める、これらの行為は2人が男女であろうと、男性同士であろうと、女性同士であろうと関係ないと感じている。

作者…続きを読む

日野さんと余田さん

タイトルがお名前なので、すごく覚えやすいですね。

総務課の沢渡くんの続編です。

沢渡くんの長い恋愛日記に登場した「日野さん」と「余田さん」について描かれています。

この登場人物たち、全員がもう物語の主人公と言っていいほど、魅力にあふれています。

男性同士の恋愛を女性が書くとBLになってしまいそうですが、もう、文学じゃないかというくらい、考えさせられる味わい深い恋愛小説です。

二十代の若々しい彼らの必死に相手を想いあう恋愛模様をぜひ、一人でも多くの方に読んでもらいたいです。

お薦めいたします(#^^#)

恋人が、主人公の今は亡き恋人への想いをおもんばかって、わざわざその話題に触れてくる。その心根を理解した主人公が、元恋人の深い逸話を語り出す。それを聞く恋人の過去の場面と逸話が重なる。

とまあそんなアウトラインなのだが、個々の密度がとにかく高い。削ぎ落とし、厳選した表現で組み上がった本作は、実に無駄がない。
内容もそうだが、とにかく教科書みたいな掌編。読むべし。