召喚された二人の聖女、その真実とは──
- ★★★ Excellent!!!
※読み合い企画からのレビューです
殺人者として拘置所に収監されていた主人公・カグヤは、聖女として異世界に召喚される
しかし、その場には、同時に召喚された双子の妹・テルサもいて──という導入から始まる本作品は、非常に奥深いダークファンタジーだ
光の極大魔力を持っていたテルサに対し、魔力鑑定水晶はカグヤになんの反応も示さない
それでも元の世界よりましだと安堵していたカグヤを襲ったのは、教会に所属する聖騎士たち
何故、彼らはそんな蛮行に及んだのか
それは実際に読んでもらえばわかるとして、本作品の長所は、その読みやすさに端を発する"状況の理解のしやすさ"だ
本作品には、"邪神の息吹"と呼ばれる瘴気、そして、その瘴気が生み出すアンデッドといった人類の敵が出てくる
だが、カグヤたちの本質的な敵は、アンデッドではなく教会そのもの──つまり人間だ
人間同士の諍いとなると、各人の立場によって物語が複雑化し、状況が把握しづらくなっていくものだが、本作品は違う
教会は、明確な悪そのものではなくとも、非常に不愉快な存在として描かれ、彼らの目的も非常にシンプル
つまり、金と権力である
ここまでわかりやすい敵も、そうはいない
そして、その教会に祭り上げられたテルサもまた、カグヤたちの大きな障害となるだろう
カグヤとテルサ
この二人の関係もまた、対照的で面白い
カグヤの運命は、そして、テルサの真意とは
是非一読し、その答えを確かめてほしい