正義の女騎士がまぶしい歴史物語

西洋史に疎い私は、はじめに題名を見たとき、ベアトリーチェと言えば、かのダンテ・アリギエーリの永遠の恋人しか頭にありませんでした。
ところがそのベアトリーチェの心清らかさそのままに、プラス!ガーターを履いて鎧を着、躍動感に満ちた女騎士と貴族たちとの物語なのだと知り、おお、と胸が高まりました。
こざかしく下衆い男どもが多い中、いい人間もたくさんいて、彼女の心の輝きが物語の隅々最後までをあまねく照らしています。
個人的にはゲラルドとジュリアちゃんが一番好きです。ゲラルドがもっともっと早い時代に生きていれば、きっと煉獄でダンテとヴェルギリウスに出会って、ダンテに励ましの言葉をかけてもらえたに違いありません。
また、ジュリアちゃんの幼い心に宿る狂った恋は、オペラができてもおかしくないレベルで、大好きです。どなたか、ミューズの御力を借りて、荒川先生のこの作品でオペラを作っていただけないでしょうか。(かなりジュリア寄りの悲喜こもごもなやつ、ゲラルドは絶対にバリトンでお願いしますwww)

私のこのレビューで、どれほどの方が関心を持っていただけるかちょっと分かりませんが、立ち寄られた方は、ぜひ一度お読みください。

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