最強の二刀流がヤンデレから逃げる!?講談形式で贈る粋な和風ファンタジー
- ★★★ Excellent!!!
「パン!」と釈台を叩く扇子の音が聞こえてくるような、没入感抜群の導入に一気に惹き込まれました。
舞台は妖怪が跋扈する和風世界『豊葦原』。そこで最強と謳われた二刀流の傾奇者・芦野康隆の伝説が、実は講談師によって「盛りに盛られた」逃走劇だったという設定が最高にユニークです。主人公が掲げる「種付け王」という野望と、その背後に迫るヤンデレ婚約者の影。この絶望的な「どうしようもなさ」を、軽妙な江戸前落語のようなテンポで描くセンスが光ります。
重厚な和風ファンタジーの皮を被りつつ、中身は極上のコメディ。 「格好いい英雄」ではなく「必死に生きる不憫な男」を愛でたい読者に、これ以上なく「粋」な一押しを捧げます。次なる演目が待ち遠しくてなりません!