概要
もらった金魚はみんな、死んでしまった
依里は夏休みの同窓会で、高校時代にすきだった哲太と再会する。
当時、ふたりはとてもいい感じだったのだけど、哲太の彼女という子が現れて、ふたりの仲はなぁなぁになった。
その彼が隣の席に着いて、依里の手を冷たい手で触れた時からふたりのいまの物語が始まっていく。
ふたりは恋人同士が絶対に行く夏祭りに行く約束をして、花火を見て、それから――。
全3話、8,500文字です。
当時、ふたりはとてもいい感じだったのだけど、哲太の彼女という子が現れて、ふたりの仲はなぁなぁになった。
その彼が隣の席に着いて、依里の手を冷たい手で触れた時からふたりのいまの物語が始まっていく。
ふたりは恋人同士が絶対に行く夏祭りに行く約束をして、花火を見て、それから――。
全3話、8,500文字です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!大人のほろ苦い手触りが残る一編
「金魚はみんな、死んでしまった」
不穏で、けれどどこか美しいこの一文から、物語の幕が上がります。
東京での生活に少し疲れたヒロインが、帰省先で再会した「あの頃」の憧れ。
懐かしい空気や触れそうで触れない距離感。
そんなふわふわとした期待が、丁寧な筆致で描かれています。
けれど、読み進めるほどに、きらきらした情景の裏側に潜む「割り切れない予感」がじわじわと胸に迫ってくるのが非常に面白いです。
誰もが持っている、若さゆえのズルさや、寂しさを埋めたい焦燥や完璧にきれいな思い出になれなかった二人の、少し苦い選択。
夏の終わり特有の「エモさ」と「毒」を同時に味わえる、質感豊かな一編です。