その命に、名を刻んだ瞬間から物語は始まる

復讐に飲まれた少女・リーゲン。
殺された母と姉を想い、ただ怒りのままに刃を振るい続けていた彼女が出会ったのは、
過去の世界に現れた、毒を宿す両腕の男・ユウキ。

彼もまた、大切な人を喪い、同じ秘術――「現世帰りの術」を求めた者だった。

過去の過ち。禁じられた再会。崩れかけた正義と信念。
二人は衝突しながらも、互いの孤独に触れていく。

未練宗との最終決戦。命を懸けた爆炎の中、すべてを託したユウキ。
その命から生まれた赤子に、リーゲンは名を与える――〈織田優華〉。

これは、一つの命が遺された者たちの想いを受け継ぎ、
未来へと歩み出すまでの、血と涙に満ちた序章。

すべての始まりは、名を刻むその瞬間から始まった。