運命などない。ただ力だけが、望みを叶える
- ★★★ Excellent!!!
少年エイクは弱い剣士だった。
狂気のような鍛錬を何年も自らに課してなお、その身に強さは得られなかった。
彼は周囲に落胆され蔑まれ虐げられていた。
それでもエイクは、強さを諦めはしなかった。
英雄と称された父。憧れの父。
徒に時間と資金を潰して鍛錬をするエイクを支えた唯一の肉親である父。
その父が死んだ。
死後、父は周囲の者たちの悪意により名誉も財産も、築いたすべてを奪われた。
エイクは父を貶めた者すべてを憎む。
父と自ら仇なす者たちすべてに復讐する。
男は殺し女は犯す。そう心に決めた。
自身を悪と断じたエイクは、父の復讐を誓い、未だ得られない強さを求め続ける。
これは狂気じみた執念と努力で数奇な巡り合わせを手繰り寄せる強者の物語。
悪漢による復讐譚であり、最強を追い求める者の戦記でもある。
この物語を読む者は、物語世界が結末へと向かう道程を追わずにはいられないだろう。
なぜなら、それだけの熱量と衝撃がこの物語には込められているからだ。
この読めば、きっと感じられるはずだ。