概要
京都の夜を流す個人タクシー。今夜の客も、ちょっと妙や。
京都の夜を、黒塗りの個人タクシーが流している。
運転手のソウジは、口の減らない関西のおっさん。決め台詞は「暑うおましたな、今日はどこへ向かいまひょ」。
墓地の近くまで、と言う素面の美人。メーター倒さんといて、と頼むセコいおっさん。バブルの頃と同じワンレンボディコンで「ちょっと新地まで」と乗り込んでくる女。
今夜も妙な客ばかりが、ソウジの車に乗ってくる。
家に帰れば、大学生の息子とは「おう」と「まあ」しか交わさない。仏壇のほうは、見ないことにしている。
胸ポケットのタバコは、今夜も九本。
今夜も、あんまり吸うてへんな。
街に冬が来ても、ソウジの夏は、まだ終わらない。
怪異と人情と、ちょっとの笑い。『知らんがな ―京都木屋町・人情怪異譚―』の木屋町を、タクシーの窓から
運転手のソウジは、口の減らない関西のおっさん。決め台詞は「暑うおましたな、今日はどこへ向かいまひょ」。
墓地の近くまで、と言う素面の美人。メーター倒さんといて、と頼むセコいおっさん。バブルの頃と同じワンレンボディコンで「ちょっと新地まで」と乗り込んでくる女。
今夜も妙な客ばかりが、ソウジの車に乗ってくる。
家に帰れば、大学生の息子とは「おう」と「まあ」しか交わさない。仏壇のほうは、見ないことにしている。
胸ポケットのタバコは、今夜も九本。
今夜も、あんまり吸うてへんな。
街に冬が来ても、ソウジの夏は、まだ終わらない。
怪異と人情と、ちょっとの笑い。『知らんがな ―京都木屋町・人情怪異譚―』の木屋町を、タクシーの窓から
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