トランプ関税が世界中を混乱に陥れている。
が、彼は選挙公約を実行しているにすぎない。まさかここまで、と、株をやっている私も想像がつかなかった。
そして、日本の対米輸出品の比重はほとんど自動車なのである。
トヨタはアメリカにも工場をもっているから、倒産はないが、減益は必至だ。
日本最大の会社がこれだと、もちろん税収はへるは国力は落ちるはで、良いことはない。為替のバックアップがあるから、さほど減益にならない、とする意見もあるようだが、為替の読みほど難しいものはない。どんなに落ち込んでも120円以下にはならないだろうとは思うが、というのもコロナショックの時、100円を切らなかったから、というただの、なんとなく、な相場感でしかなく、トランプがドル安を強要した場合にはこの限りではない。
とくに日本は経済的にはもちろん、軍事的にもアメリカの庇護のもとにあり、大統領の意向にそぐわない路線は取りにくい。
アメリカの貯金箱だとか、第二の常任理事国だとか、蔑みをあびる立場の日本だが、プライドよりも国民が豊かになる立ち位置をとらなければ、過去、日米戦争で国を破滅させた軍人たちと同じになる。
そのトラウマがあるからこそ、戦勝国に馬鹿にされながらどうにか耐えてきた。高度経済成長からバブルにかけて、「宗主国」より金持ちになる機会まで得られた。
そしてアメリカのアニマルスピリッツは中国へ移行し、日本の資本は奪い去られ、おそらく経済史上ありえないほどの長期にわたり、デフレとなった。
ここでまた不況の到来となれば、わずか数年でインフレ期間はおわり、悪夢のデフレ経済へ逆戻りだ。
過去には医療、介護系が雇用を作ったが、人口減、とくに高齢者多死の社会に突入した現在では人材吸収もできない。
失業率は確実にあがる。
どこかで妥協はあるだろうが、石破総理の動きをみていると、他国よりだいぶ先になるようで、非常に怖い。