「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト2026」(さなコン)で審査員賞(藤井太洋賞)をいただきました。
https://www.pixiv.net/novel/contest/sanacon2026
作品はこちら: そして一羽が、巣から羽ばたいた
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=28267202
むっちゃうれしいです…。もう泣くほどに。
どうしてうれしいのかというと、「第2回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」の二次選考までいけてから毎回応募し続けて4年の間に、冬寂へ興味を持っていただいた蒼桐さんや秋待さん、あぼがどさん、久頭見さん始め、たくさんの方々へようやくご恩をお返しできたことが本当にうれしいのです。
さなコンは他の文芸コンテストと比べて、こんなにも人の輪ができた不思議なコンテストです。そこが心から大好きです。だから受賞できたことは本当に感無量なのです。
執筆についての紆余曲折はこちら:
https://kakuyomu.jp/users/toujakumasiro/news/2912051601338840158
受賞作品は一度は書くことをあきらめた内容なのです。もう引越しという文につなげることなんて、ネタ的に無理でした。執筆につながったのは大和書房編集部編『アンソロジー 引っ越し』を読んで視点が「引っ越せない」に変わったこと、たまたまつけたラジオで聞いたOddRe: さんの『睡る君』が作品のテーマ曲として推進力になったことです。このふたつのきっかけがなければ書き上げられませんでした。
そしてさなコンのサクラクロニクルさんの作品に「してやられた感」があってこうなったことも追記します。たとえばこれとか。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22280331
あんまりこうしたハードSFを書くほうじゃないんですが、ずっとこう、してやられた感があって、それをなんとかしたくて今回の作品につながりました。
藤井先生の講評についてたくさんお話ししたいのですが、ふたつだけ触れます。
拡張汚染とかそうしたワードは、私が雑誌編集を6年ほどやっていたり、いまの本業でもワードひとつでプロジェクトの成否が決まるのをたくさん見てきたからですね…。わかりやすくキャッチ―であることが求められる世界で生きてきました。そしてサイバーパンクど真ん中世代なので、デッキとかアイスとか、そうしたイカした言葉がとても好きです。そのあたりからああいう「一目でわかる言葉」を決めていました。
後半が急なのはおっしゃるとおりで、実は戦闘シーンがもうひとつあったのです。この話のモチーフになっていたのがイランの女学校を米軍が誤爆した事件で、本作でも似たようなシーンを考えていたのですが、なにしろ尺に収まらず、戦闘シーンをひとつ削って読み手に衝撃を受けさせるところを始めに持っていきました。本来の構想だと、機械からのフィードバックで少しずつ人がおかしくなっていく様子を描写したかったのです。これはもう藤井先生の言う通り、長編を書いて叶えてみます。
ほかにも弱点があって、たとえばどうして百合なのか?とか(本当は軍組織での同性愛事情や、機械の感覚が心に侵食することで性対象が変わることを書きたかった)、ジャスティンの背景部分とか(どうしてああいう態度を取っていたのかとか)、いろいろ省いたところが多く、選ばれるとは本当に思っていませんでした。
改めて、藤井先生始め、さなコンに携わった皆さま、読んでいただいた方々に最大限の感謝をいたします。
そして、たくさんの「おめでとう」を本当にありがとうございます。次は私から「おめでとう」を言わさせてください。
これからも良いものを書いてまいります。どうか引き続きよろしくお願いいたします。