カクヨム文芸部デジタル部員証をいただきました

  黒いつなぎを着たそのお姉さんは、にやにやしながら胸元のファスナーを下げた。その胸の谷間から取り出したのは一枚のカードだった。

「なんだ、会員証持ち(カードフォルダー)だったんだ」
「そういうことだよ、冬寂ましろ。なら、やることはひとつだろ?」
「ああ、わかってるよ。これでもカクヨム文芸部デジタル部員だからね」

 私も首から下げていたカードを指に挟んで、ちらちらと相手に見せつける。
 隣にいた千鶴が私の腕を引く。 

「ちょっと、こんな街中でバトるの? 信じられない!」
「ごめんね。私とこのお姉さんは執筆中毒者(ライティングジャンキー)だから」
「そういうことだよ、お嬢ちゃん。読み手(リーダー)は下がりな。こっからは書き手(ライター)の時間だ」

 相手にそう言われて千鶴がしぶしぶ下がる。「負けたら絶交だからね」と言い残して。
 私は少し苦笑いしながら、カードを手にして構える。顔の横までカードをあげる。

「スタンバイ!」

 カードがきらめく。虹色の光があふれだし、ごみが散る街を撫でていく。

「いいね。いいよ。そうこなくちゃ」

 相手も同じように構える。

「スタンバイ!」

 黒い光がほとばしる。人や自転車が闇の中に飲まれていく。

 私達はにらみ合う。 
 渋谷の街に嵐が吹き荒れる。
 私とお姉さんは同時に叫んだ。

「「執筆開始(ライティング、スタート)!」」



……というようなカードバトルが始まりそうな会員証をカクヨム様からいただきました。沼らせ…のプレゼントとのことです。
皆様、ありがとうございます!
これからも頑張っていきますー!

8件のコメント

  • いいなあ

    おめでとうございます\(^o^)/
  • おめでとうございます~
    素敵な部員証ですね!
  • いいなあ!
    おめでとうございます!!!

    あのお話、すごくよくて印象的だったので、とても嬉しいです。
  •  新作短編、素晴らしいです(笑)。カードフォルダー達の戦いは続いて行くのですね、おめでとうございます。
  • 近況ノートなのに、贅沢すぎる文章をありがとうございます🥰✨
  • おめでとうございます!
    能力を持つものの証……
  • お世話になります。
    拙作「霧の群島」を手に取っていただき、誠にありがとうございます。
    少々長いお話になりますが、お楽しみ頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。🙇
  • 皆様ありがとうございます!
    これからも良いものを書いてまいります。

    幸田七之助様>
    こちらこそ良いものをありがとうございます!
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