13話-⑤ 悪役令嬢は聖女で悪役になると言う
名探偵悪役令嬢 ―我、婚約破棄の場で華麗なる推理を堂々と披露せんとす―
https://kakuyomu.jp/works/16817139559105789406/episodes/16817330651900550117 ふがいない王家に代わり、ファルラがついに救国に乗り出します。……のように見せかけて、実は死が近づいているユーリスと添い遂げることを本人は考えているとは思いますが……。
作戦名となった、ダルクさんとこのジャンヌさん。いろいろな作品が出て、キャラもたくさんありますが、私はやっぱりリュックベッソン監督の『ジャンヌダルク』の印象が強くて……。オルレアン解放の冒険劇、そして戴冠式で華やかに祝福される王を見守り、自分もやり遂げて嬉しいという場面から、一転して泥だらけの戦場で苦戦しているところに画面が転換します。そこからジャンヌダルクは真っ逆さまに転落していきます。最後にダスティン・ホフマンが演じた自分の心の中の存在との掛け合いは、何とも心をかきむしられます。
作中もそれを暗示しています。ファルラが転生前にこの映画を見たかもしれません。彼女が作戦名に何を考えてそれを付けたのか、少しずつあらわにしていきます。
大叔母様ですが、元々男の僧侶の予定でした。『帝都物語』で大谷光瑞が出てくるのですが、これがすごく印象的でして……。男も女も、敵も味方も、その抱擁を受けてしまうと、身も心も溶けてしまうというような。法悦とでも言うのでしょうか。不思議な包容力がある人ととして描かれています。
あともうひとつ、リアルなモデルとして、うちの法事に来てくれたお坊さんがいます。「すごくいいおっさん」、「がはは」という感じな豪快な方で、今でも我が家では面白い人だったなと話題に上ります。宗教的な戒律、しなくてはいけないというところよりも、人としてこうしたほうが自分も相手も喜ぶ、という人の本質を説法していただけました。
そんな感じでプロット上では、無茶言うファルラを抱きしめて見守る役にしようとしてたのですが、話の都合上、急遽ファルラの父親に厳しく接していた大叔母様を宗教の元締めとすることになり……。結果的に同性を好きになった者同士で、意味づけは強くなったと思います。
話はどんどん最後に向かって転がっていきます。
これからも、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、よい読書ライフをー!