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彩色短歌「送迎」あとがき

(注意書き:7/8投稿の近況ノート、『「解釈」論』をご一読後、こちらの解釈ノートをお読みいただければ幸いです。)

まずは今回の短歌をこちらに再掲。

「紅をさす 君 身に纏う 白装束 迎え送るは 墨色の僕」

この短歌、実は2つの意味が込められているのですが、読者の皆様はどちらに読み取ったのでしょうか。聞いて回りたいという変態的な気持ち(!?)がありつつも、2つの意味について解説していきたいと思います。


タイトルの「送迎」が表すように、この短歌は「迎える」意味と「送る」意味が込められています。
…「送る」よりも、造語ではありますが「葬る(おくる)」の方が伝わりやすいかもしれませんね。

「白装束」は一般的に白い衣類全般を表していて、
結婚式に花嫁が着る「白無垢」も、葬式で死者が着る「死に装束」も白装束の一種です。

「紅をさす」は化粧をすることです。
結婚式の際にもお化粧をしますが、死者にも最期に綺麗な姿で送るために「死に化粧」というものが存在します。

「墨色」自体にも2つの意味があります。
1つは、「僕」が着る衣服。白無垢のお相手は黒袴を着ますが、喪服も黒ですね。
もう1つは、式に参加する際の記帳に使う「墨」。結婚式では濃墨を、葬式では薄墨を使うのが一般的です。何にせよ、どちらも墨を使いますね。


このように、この短歌は君と僕の関係性に2つの意味を込めています。
美しい君を迎え夫婦となった幸せな僕と、愛する人と死に別れ悲しみにくれる僕。
結婚式と葬式にはいくつかの共通点があることを活かした短歌となりましたが、皆様はこの短歌を読んだ際、どちらの印象を持ったでしょうか?きっと一人一人の考え方や人生経験によって、印象は異なる短歌になったと思います。


ここまでお読みいただきありがとうございました。
また次の作品でお会いできたら嬉しいです。

2件のコメント

  • 最近ショート動画で死に化粧的なノリでネイリストがアンタ最高よとか言いながらネイルする海外の動画を見たり、冥婚の小説をたまたま読んだせいで最初に読んだ時は完全に死に化粧だと思いました。言われてみれば確かに神前式は男性は黒い衣装ですね…
  • 紀夜御さん
    こちらの近況ノートにもコメントありがとうございます。
    今のところどなたに聞いても最初に「死」をイメージするとお答えになっているので、きっとどこか死の香りが強い短歌なのでしょうね…
    意外と神前式と葬式の共通点は多いんですよね。
    近況ノートもお読みいただきありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
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