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長く新しい関係

 最近あまりハッピーエンドでないお話ばかり書いていたので、もっと自分が元気になれるものを書きたいと思っております。つまり書いていて楽しいか、読んでいて楽しいか。読んで楽しむ方は、自主企画に参加して戴いたり参加したりで充実しているのですが、書く方が……

 言い訳をしますと、時代ものは書いていて途中もの凄く楽しくハイになれるのですが、調べていくうちに「ちょっと史実がひどすぎない? 小説よりあかんわ」となるか「齟齬を見つけてしまった!!」となるので、どちらにしろ辛い。登場人物たちに乗り越えて幸せになってほしいのですが、私の力量ではそこはかとなく暗いエンディングになりがちです。

 このところずっと拝読している長編小説シリーズがありまして、作者の方が構想や改稿にも長い時間を費やしていらっしゃると聞き、それだけの時を同じ登場人物たちと過ごすとはどういう感覚なのかしら、と想像しました。親子や夫婦や友人たちも長い時間を連れ添いますが、自分の生み出した人物像と世界観でも、時を経て《《彼ら自身で動き出し、回っていて、語りかけてくるようになる》》。そして外の人々(読者)も《《彼ら》》を知っている、という不思議な関係性。うーむ新しい…… なんと名付けるのが相応しいのかなあ、愛しさ、と言うには《《相手》》の人格も生涯も己れと接点が無い、もっともその世界は己れが初めて創り出したものなのですが。

 年末年始に、サザビーズがオークションにかけた、レンブラントによるライオンの素描や岡田美術館から出品された『神奈川沖浪裏』が、歴史的高値で取引されたというニュースを読みました。史料として芸術作品として価値の高い絵画が個人所有になり、一般公開されなくなることは致し方が無いのですが、長く識っている人が遠くへ行ってしまい、会えなくなるような感覚がして、なんとも複雑な気持ちになってしまいました。あの絵たちはいわばレンブラントや北斎の記憶の一部で、私たちとも“長い関係”であったのではないでしょうか。

ARTnews Japan
https://artnewsjapan.com/article/54394

美術手帖
https://bijutsutecho.com/magazine/news/market/32093

 私もそうやって長く付き合える登場人物や物語世界を持ってみたいなあ、と思いました。と、いうことで今年の抱負は長編を書き終えて公募に出そう、という…… あまり自信はないものの…… 考えています。考えるだけならね。

コメント

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