四協帝国クアドリオンでは貴族家に紋章があり、一族が身に付ける礼服や武具や道具類などに彫られたり縫い付けられていたりしています。更に丸いワッペンのような紋章票(造語です)があり、紹介状や身分証のように使えるという設定です。一回限りの効力しかない紙の紹介状より強力です。
「通章」「金章」と二種類あり、アステリデの金章は伯爵籍に準じた扱いを受けられます。副官が金章を持参して代理人として行動する場合もあり、求婚に至る儀礼には含まれません。でも「家族のような貴方さま、必ず返しにお戻りください」と取られても不思議はないのですが……三人には通じていないのでした。
フレクナ(Frekna):古ノルド語で「雀斑」。freckleの語源。
スィンネ(Þynne):古英語で「痩せている」。thinの語源。
ネップ郷の女性常備衛兵はこの二人だけなので再登場します。「袋道亭」の娘さんたちと同じく雀斑は婉曲表現で、実際には痘痕。天然痘(古名である「裳瘡」としました)そっくりの感染症があります。
ベテロート村(Beterōt)とラディック村(Radic)とハウグル村(Haugr)
ベテロートとラディックはネップ郷士家所属。古英語で「甜菜の根(beet-root語源)」「ラディッシュ」。ハウグルはグラフェル男爵領所属で古ノルド語「墳墓、塚」。古代からの墳丘の麓の村。「道標石」の意味は「西へ24kmでグラフェル領ハウグル村。(その手前)8kmでベテロート村」です。
第100話で第3章「姫花草」は終了です。温かいご支援をいただいた皆様に心より感謝申し上げます。次回から第4章「合流」ですが、その前にウィラルテ・サーガ第3短編「格子の諱」を公開します。1話完結・約1900字の謎解きハッピーエンドですので、お気軽にお試しください(ソンコス&オルサ登場します)。