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第69話 叩き肉(捕:爪磨き、次回更新予定)

 ハンバーグの元祖と言われるタルタルステーキは、お肉を叩いて柔らかくします。タタール風という意味ですが、モンゴル人が硬い馬肉を柔らかくする方法が伝わったとも、生肉のままで食べるのが野蛮だからタタール風と名付けられたとも。蒙古騎馬兵は鞍の間に馬肉を挟んで騎乗して柔らかくしていました。

 解体直後のお肉は柔らかいのですが、哺乳類の場合は旨味が少ないです。特に牛肉は時間による味の変化が大きいです。牛肉は1日~2日で死後硬直が最大となり、わたくしたちは少なくとも7日~10日程度冷蔵保存したものを食べています。尚、人間は半日~1日ですので、牛頭鬼も半日で最大硬直と設定しています。

 わたくしたちにお馴染みの形状の爪切りは19世紀末に登場で、それまでは小型のナイフや鋏で切って、砥石で磨いていました。砥石には軽石や泥岩が使われました。放散虫由来の石英結晶の粒々が、ちょうど良いヤスリになったようです。『延喜式』(平安時代)に「爪磨(つまと)」の記載があります。

※次回の更新は4/11(土)。第3章は土日祝に更新予定です。

4件のコメント

  • 馬好きとしては、鞍の間にお肉をはさんで柔らかくするなんて……! なんというか、うん、やわらかくも、あたたかくもなりそうで、ちょっと複雑です。
  •  馬自身は、自分の背に馬肉があることを感じるのか? と想像すると……ううっと思ってしまいますよね。
  • いつもながらお勉強になります。
    タルタルステーキ大好きなんですよねぇ。
    パリで食べた料理で一番好きでした。
    以前は近所にタルタルステーキを出してくれるお店があったのですが、閉店してしまって、長いこと食べてません。
    牛肉の変化については知らなかったです。
    よく精肉店で比較的新鮮なものとやや寝かせたものが売ってますが、前者で1週間くらい、後者は2週間くらいなんでしょうか?
    私は肉は新鮮派でしたが、読んでてエイジングしたものも食べたくなってきました…
    これからも楽しみにしております。
  • 荒野旅人さま
     コメント有難うございます! さすが荒野旅人さま、海外でお食べになっていましたか! 羨ましいです。わたくしは勇気がありませんでした……。

     牛肉は特に死後硬直前は美味しくないそうです。エイジングは、やはり旨味の濃さと深さが違う気がします。「しわい」が消え失せて、すっと歯が入る感じも。機会がありましたら、お試しください!
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