指輪物語に登場するエルフのパン、レンバスと言うモノをご存知でしょうか?
それはとても保存性が高く、非常に硬くて食べにくいながらも、旅の携行食としてとても便利だったとされています。
映画でも何度か描写されており、フロドやサムが旅の中で口にする事もありましたね。
私はこのレンバスを見て、そういうのもアリか! と膝を打ちました。
コンピューターRPGなどをプレイしていると忘れがちなのですが、旅には保存食が必要なものです。
世界を渡る旅ならばなおの事、長距離を移動することもあるでしょうし、道中での食料調達が難しい場合もあるでしょう。
そんな時に町で保存食を購入し、それを切り分けながら食べて路程をこなしていく。
そう言った『食』の話って、意外と小説とかでは省かれガチじゃないですか?
それはたぶん、旅に際して食は重要だけど、お話としてそこに重点を置いてしまうと取っ散らかってしまうから、だと思うんですよね。
今やグルメを取り扱ったファンタジー小説などもありますが、それはそこに重きを置いているから食を取り扱っても焦点がブレないわけで、バトルや冒険活劇を主題に置いてるのに急に詳細なグルメ描写をされるとビックリしちゃいますよね。
だから多分、冒険活劇における食は、ある程度のスパイスくらいの塩梅で描写が混ぜ込まれているんだと思います。
でも、そう言う細かい部分をこだわっていると、おっ! って思いませんか?
お話が取っ散らかるほど描写を割かず、さりとてなんとなく納得は出来る程度の描写。
私にとって、レンバスはその塩梅としてとても丁度良かったんですね。
エルフという超常的な存在が作り出すパン。魔法がかかっていてもおかしくはないなぁ、と思える土台があって、それを使う事で旅の間の食糧問題も緩和出来るという。
ある程度の納得感もあって、作者的にも扱いやすく、お話の説得力を増してくれる。
これほど便利なアイテムもそうそうないでしょうなぁ! と思ったわけですね。
それで今回、拙作『海龍修羅道』にて『ファンビェン』という食料を登場させました。
これは中国語でインスタントを意味する言葉らしいんです。
……まぁ、私も中国語ネイティブでもなく、勉強をしたことすらないので、グーグル翻訳さんに頼り切りで得た情報なんですけれども……。
このファンビェンは携行するのに便利なサイズで、保存も利き、栄養価も高いという魔法のような食べ物に設定したんですね。
これはもちろん、レンバスを参考に、ある程度便利過ぎる感すらあるぐらいの塩梅で登場させた食べ物で、それによって近未来の食べ物っぽさも出ればよいなぁ、と思っております。
『海龍修羅道』は近未来のお話。当然技術力は現実よりも発展しているわけですし、便利過ぎないか? と思うくらいのアイテムが出てもええやろ、と。
その結果がどうだったのかは、読み手の皆様の心の中に……。