「Σほ、ほら!やっぱり7時間48分って出てくる!!」
「OK~!じゃあここをタップして」
ドラちゃんが、自転車マークに指を向ける。
タップ———
「ねぇ『経路がありません』って!赤い三角のエラーが———」
「ふふふ」
ドラちゃんが下を向く。
(Σな!?)
「———わっはははは!!」
ドミナント7thの高笑い———
「よく見て———いや、反対側から見てみな」
ドラちゃんがiPadを回す———180度
(えええ———!まさか!)
赤三角———
「ドラちゃんの赤シャツ!」
白いビックリマーク———
「白ネクタイ!!」
自転車マーク———
「ワクワクさんメガネ!」
「おまけに、鼻と口も!」
脳内が黄色信号———
ドラちゃんを見つめる。
「———Surpriză!ようやく気づいた?私の秘密の経路だよ!」
人口甘味な歓声が全身を嬲る———
「さぁ、今から行くよ———」
「は!?いまから!?」
「Fereastra societății Fereastra lumii———社会の窓!世界の窓!」
視線が転換———天井と目が合う
足場が途絶える。
肩と太ももの裏に腕が絡む。
ppピアニッシモなメガネの奥、贋作のルビーが嗤う。
「ちょっ!このスフォルツァンド(sfz)みたいな、お姫様抱っこで行くの!?」
「うん!メゾフォルテ(mf)みたいな、おんぶがよかった?」
「Σい、いや」
「さて、呪文の続き———」
「Noaptea mă poartă, luna mă ghidează———夜が私を運び、月が私を導く!!」
(キザ!)
「アンナ!目的地を叫んで!」
「———Teri,Doi,Unu」
(———3,2,1)
「———Săpânţa!」
「———サプンツァ!」
ドラちゃんがスラーの腕が伸びる———
しなやかな指先で———iPadをタップ!
瞬間———網膜を光が包む
ステンドグラスのフラクタルなグラデーション———
(うわあああー!)
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