【案内人・葛城二華より】
誕生日特別編をお届けいたします。
六月六日。双子の誕生日でございます。
前回の特別編では、西園寺玲さんの静かな五月を描きました。今回は打って変わって、朝霧家の双子——陽花さんと月詠さんの一日を、朝からお休みの前まで、通してお届けいたします。
双子、と申しましても、お二人の一日はまったく違うものになります。
昼休み。体育館に、二百を超える声が集まります。その声がどこに向けられ、何を歌うのかは、本文に譲ります。ただ、一つだけ申し上げます。聞こえてくるのは応援でも激励でもなく、もう少し温かいものでした。
放課後、もう一人は、静かな建物の中で、紙と向き合っています。三つの段階を経て、ある場所へ辿り着く仕掛けが用意されています。制限時間は一時間。四十五分で解いた、とだけ記しておきます。
体育館の歓声と、理科棟の静謐。同じ学園の中で、同じ日に、まったく異なる祝われ方をする双子の姿が、このお話の前半の骨格でございます。
夕方からは、食卓に戻ります。じゅんさんは、お二人に別々の贈り物を選んでいらっしゃいます。片方は「一緒」の証。もう片方は「あなたらしさ」の肯定。——その差が、じゅんさんの人物像そのものでございます。
そして、最後に。
就寝前の廊下で、双子だけの時間がございます。策も計算も、声の大きさも、何も要らない時間です。
同じ日に生まれた二人の、同じ日の物語を、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
※本作のイラストはAIを用いて制作していますが、キャラクター・服装の設定および最終選定は作者によるものです。
