水野酒魚。さんの
【六色の竜王が作った世界の端っこで】
も愛読してる作品の一つなのですが……
この作品の中に【アガート】という天法士(※魔法使い、魔術師とは異なる種)が出て来るんですが
アガート君が私は大好きでね……。
主人公レーキの、一番最初のルームメイトなんですが、
年上の先輩なんですよ
何ていうのかな~~~
現実世界でも「こんな先輩一番好き」って感じの。
いっつも勉強してるんですよ。
でもそれは無茶苦茶名門の学院に入ったから当然なんです。
彼自身も勉強好きなんだけど、しなきゃならなくもあり、いっつも机と向かい合って勉強してる。
だから多分レーキの中でも部屋に入ったらアガートがいて、後ろ姿か、横顔か、分からんけど「おかえりー」くらい言ってくれる感じの姿をいつも見てる感じ。
レーキも色々背負ってる人なんですが、
アガートはとにかく勉強に追われてるので、人の詮索とかに興味がない。
ただ……。
レーキが本当に苦しんで、話したい時とか、いつもと違う時とか、困ってる時とかは……絶対「おおどうした?」みたいに話しかけてくれるし、話を聞いてほしいと言ったら聞いてくれるんですよ。
面倒臭そうな顔とか嫌な顔をそういう時は全然しない。
要するに 優しいんです。
優しい先輩なんすよ。
本尾さんのところの【俺×幽霊×股旅】のハヤテさんも、
私はすげぇ優しい人だと思っていて、
すごく重いものを一人で背負い込んでるからハヤテさんは一人であろうとすることが多いのですが(他人を巻き込まないため)、本当に一人で生きたかったら他者を拒絶するじゃないですか。「ほっとけ」とか「俺は一人が好きなんだ」とか。
ハヤテさんはそういう所がない。
一人になりたくても、目の前で苦しんでる人がいたら「つい助けてしまう」のです。
見捨てられない。
彼は孤独になりたくてもなれないタイプなんだと私は思うのです。
何故かと言うと、そういう人を見捨てられない性格を慕って、彼の優しさを慕って、ついて来たり好きになったりする人がいるから。
そういう人たちを「俺はそういうんじゃないんだあっち行けよ」と冷酷に突き放せるほどには、ハヤテさん心が冷たくないんですよ……。
そういうのがハヤテさんの持つ「優しさ」なのです。
彼を決して孤独にしない、美点。
水野さんの所のアガート君は人助けに精を出すタイプでは最初ないように見えました。とにかく自分の世界に籠って、黙々やるのが楽しい研究者タイプというか。
でも最終的にはアガート君は他人のことをもっと大らかに捉えていることが分かって来ます。
飄々として、頭いいので動じること少ないのですが、
前も書いたけどレーキが遠くで働くようになったら、休日に学院からわざわざ訪ねて来たりしてくれるのですよ!! いい先輩でしょ!? いるんすよ!! 現実にもこういう優しい先輩!! 別に来てほしいという意味で言ってないけど「新しいバイト始めたんです」とか話しておいたら、「近くに丁度来たから寄ってみたよー😊」とか本当にラフな感じで訪ねて来てくれる先輩!
なんすか!!
なんすかそのラフな感じの優しさ!!
優しいんすよ優しいんすよアガート君!!!
レーキがまた大変なことに巻き込まれてしばらくえらいことになってたんですが、
久しぶりにとうとう学院に戻れたんですよ!
そうしたら「突然いなくなったから驚いた大丈夫だったかー!!」って抱きしめて泣いてくれたんですが、アガート君そういう熱血キャラじゃ基本無いんです!
ないんですがこの時はそういう風に泣いて迎えてくれて、
ホント最高に優しい頼れる先輩なんです
水野さんの【六色の竜王】の中で一番好きなのアガート君……🥰
前言ったじゃないですか。何かにハマりたかったらそのジャンルにおいて「一人大好きな人を見つけなさい」と。
その人を通じて、その人を案内役に据えて、そのジャンルに入って行くのですと。
これ実は小説も有効な読み方なのです。
好きなキャラを見つけると、そのキャラの部分しっかり読むでしょ? だから話に入って行きやすいのです。そのキャラの考えや関わる人との関係性とか頭に入ると、更に読みやすくなる。
私ね……気づいたんですが、魅力的なキャラを書いてる作品かどうかの判別の仕方の一つ。
【主人公以外に、このキャラいいなと惚れるようなキャラがちゃんといるか?】
これは大きな判断要素の一つです。
私はこのキャラを小説において探しています。
だからこういうキャラがいない場合は、「ああこの作者キャラ作るの上手くねえわ」ってそれによって勘付いるらしいのです
まあだから序盤、一話の長さにもよりますが、大体カクヨムで言うと長くても一話5000字以下が長編だと丁度いい(それ以上だと長く感じる人が増えて来る感じ)塩梅かなと思いますので(標準は3000字前後と私は見ている。でも若干私はそれでも物足りないと感じることも多いので、実質5000字前後の括りが結構いいと思う)それでいうと、まあ……出来れば5~8話くらいまでにはその
【主人公以外で無茶苦茶素敵なキャラ。この人の為に続き読もうと思うほどの人】
そういうキャラを出すべきです。
本尾さんのところは、出てます。ハヤテさんは冒頭から出て来るキャラなので、初見からカッコよくて素敵すぎたので「このひと……好き! よしこのキャラよく読み込んでおこう!」と早々に話の【扉役】として狙いが定まったのです。
実は水野さんの所はアガート君序盤から出て来ません。
ただそこは何というかこの前の【凪と時化】戦法といいますか、水野さんの所は話が凪ることがほぼ無いので読めちゃうんですよね。
これはもう文章力です。特別な才をお持ちなので、【扉役】無しでもあれだけ続きを読ませられる。特殊なパターンに分類されるので全ての人が水野さんのような展開を真似しようとしても絶対無理ですよ。
普通の人はちゃんと5話~8話くらいまでにアガート君やハヤテさん的に素敵な人出してください。
自分でも、何かを私は小説の時に探して読み始めるなと思ってたんですが、分かりました【扉役】を探しとったんだなコレ
【扉役】がいない小説、8話くらいまでに魅力的だなーと感じるキャラが出て来ない話、一人くらい出て来るやろと期待を込めて最高10話くらいまでは付き合ってあげますが、10話読んで【扉役】の一人も出せねえようでは正直結実力構高が知れてます。
勿論水野さんのように【扉役】無しでも10話以上読ませて来れる人は、いなくてもそれ以上全然読みますが、その時点で何か別のことを面白いとか魅力的だとか思ってるんですよね。
水野さんの場合は主人公のレーキも目の離せない人ですが、師匠のマーロンさんがとても素敵なので読んじゃいました。
マーロンさんはというとちゃんと5話目に出て来るのです。
つまり、水野さんは厳密に言うと【扉役】無しで読ませてるわけではなく、
アガート君はいないけどマーロンさんはいるという、
【リレー方式扉役戦法】で読ませているのです。
これは魅力的なキャラでリレーしていくので、そもそも魅力的なキャラを多発出来ない作家には元々使えない特殊な戦法です。
文章力がありキャラ作りの上手い選ばれし作家しか使えない特殊な戦法なので よしじゃあ俺もそのリレー方式で行く! などと安易に思うのはぜひおやめください
キャラが増えてダラダラになるだけですので
そうなんですよキャラバンバン出す人いるでしょ!!!
あれの印象が悪いのは、要するに私はスナイパーで言うと一撃の精度を見ているのです。
一発で私の心のど真ん中を打ち抜いて来るような腕前がキャラの中にいるかどうかを見ているわけです。
だからキャラが何人出てこようと私には判別出来ます。出来ますが、アリのようにわんさかキャラが出て来ても、一人も私の心の的の中央に弾を当てて意識を引いて来るキャラがいない場合「この部隊 人数いるけど射撃能力高い奴一人もいねえな……」と、益々部隊の指揮官である作者への印象が悪くなります。
要するに下手な鉄砲部隊だなと思ってしまうわけです。
一撃の精度を調査してスナイパー候補生を探している私にとって(?)、キャラの多さと精度の高さ全く無関係ですので、何人出してこようがこっちを的確に撃ち抜いて来ない限り「この作者この程度が限界か」となってしまうのです。
だからキャラをたくさん出すのは良くないというか、
良くないのではなく、意味が無いです!!
意味が無いのは、文章力の無い、話を上手くまとめる力のない作者がキャラをいっぱい出しても全てのキャラに魅力がない大量生産型なので、意味が無いのです。
だったらもっと考えて一人一人の射撃能力高めた方が、
一人すげぇ射撃能力持ったスナイパーがいるだけで「この人素敵 このキャラ気になるからとにかく読むわ✨」と私なんか本当になるので、読み進めてもらえる率は高くなるのです。
確かに私が読むの止めた長編ってこの【扉役】がいないんですよ。
見当たらないんです。長編だからキャラは次々出て来るのにまあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~とにかくどいつもこいつも これだ!!!! という魅力がない!!! 輝きがない!!! 長編なんだから一人くらい出せと!!!
【主人公以外】と書いたのもポイントなのです
主人公は主人公。
物語を展開していくのには主人公以外が必要ですから。
だから【扉役】と主人公は別です。
魅力的じゃない長編小説は本当にこの【扉役】がいません!!
キャラは多くても一人もいないのですその中に!
この長編面白くねえな……ってある時点で私は思うことがあるのですが、何を根拠に見限っているのか自分でもはっきりしてなかったんですが ニュアンスか!! と思っていたけど違いましたわ 明確に私は【扉役】となる凄まじい射撃能力持ったスナイパーキャラを探していたんですな
私が読み続けてる小説全員見事にこの【扉役】となるスナイパー保有しておりました
さすがです!!!👏
やはりどこか序盤の段階で「うおー! このキャラ好きだな~!!✨」って思わせて来てる!!
そんなん……魅力的なキャラどうやって作るのか分かんないもん……とか思うそこの君はもっと現実世界で魅力的な人を見つけてください。人間を見てない。創作者が創作しか見ずそこから知識やアイディアを触発されても、井の中の蛙大海を知らずになること多いので気を付けて下さいね
特に異世界ファンタジー都出身異世界ファンタジー市異世界ファンタジー町異世界ファンタジードラゴンマンション607号室みたいな文章書く人いますが 現実世界を全然愛してないんだろうな~~~っていうのが伝わって来る文章はダメです!!
これは私が途中まで異世界ファンタジー町……くらいまで行きかけたことある本人だからいいますが駄目です!!!
マンションにまで入居しようとした所に「おお異世界ファンタジー書くなら現実感こそ大切なんだ!! 一回ここで現実世界のスポーツでも見て現実を学べ! 実感あるものを一度愛してこい!!」と天啓を受けてマンション入居は回避して、実のある世界を大切にするようになれましたが、
実際の俳優が演じるドラマも見ない、
実際のアスリートが戦うスポーツも見ない、
自分自身も書く以外何かアクティブな趣味がほぼない
これで異世界ファンタジー児童文学オンリーであとは漫画とかゲームだけではもうファンタジー感しか出せません。
真のファンタジーこそ現実味と質量を求められます。
真のファンタジーはファンタジー!!!!! という熱量を感じます。
ファンタジー感で終わっとんのはファンタジー不発です。
ファンタジー不発で終わる作品の多くは、理由が【現実感と質量不足】が原因であることがものすごく多いと私は分析しています。
つまり、これを解決したいのであれば、
現実のものを見て、愛する。感情移入をすること。
小説が一日で上手くならないと言われるのはこれが理由です。
自分の中に培われたもので書かなければならないから、自分自身の「目」とか「感性」とかを鍛えようとしない者に優れた小説を書くのは無理です。
つまり、総合すると
①長編小説を読んでもらうには、主人公以外に【扉役】となる魅力的なキャラが絶対に必要。
②キャラが多くても【扉役】がその中にいるとは限らない。作らなければならない。
③魅力的なキャラを作る為には【現実感と質量】が必須。
④③の要素は欠乏すると特に、現実世界において俳優やアスリート、歴史上の人物など現実味を重んじる読者を大いに失望させる欠点となる。(よく言う、内容ペラペラの小説)
この①②③④は長編異世界ファンタジーを読んでもらう最低限の心得ですね。
これが揃ってる作品は間違いなく面白いです!!!
①主人公以外に大好きなキャラがいる。そのキャラが出て来るたびに嬉しいので続きを読む意欲になる
②情景描写の精密さ、戦闘描写の質量。とにかく読者の脳に浮かぶような描写が出来る文章力の高さ
③「こういうキャラ実際にもいるなあ」とか「現実にもこういうことある」とか、とにかく現実にあるなと思える実感を読者が抱くと【非常に書き方リアル】と言われることが多い。
④異世界ファンタジー普段読まないような人が読んでも【作り物の世界じゃん】と言われないだけの耐久力が出る
①②③④を大切にすると、こういう効果が文章に出ます。
だから良作だなと感じるのかな🥰
少なくとも私が異世界ファンタジー作品において
いいね と思う理由と思わない理由の境界線の違いの一つはここにありそうです
言っておきますが世の中において良作は少数です。
凡庸が多数。
でもそらそうです。みんなが良作書けたらみんなプロになっとんだからな。
そんなゴロゴロ スナイパーがあっちにもこっちにもいたら心臓撃ち抜かれ過ぎて怖くておちおち散歩も出来ん
だからほとんどの人がスナイパーは保有していません!!
なので俺の部隊スナイパーおらんぞとか思っても絶望する必要はないです!
一人一人の隊員(作品の登場キャラ)の射撃能力を総司令官(作者)として気に掛け伸ばしていきましょう!
そうすればスナイパー保有してなくても「おお ここの部隊優秀な狙撃手多いな✨」と部隊としての好感度(文章力)は上がって行きますのでね!!
ぜひ優秀な射撃部隊(読み手の心を撃ち抜く素敵な作品)を作って下さい!