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酒は飲んでも飲まれるな

人の顔の配置にも何故か好みがあります。
そうです。
美男が必ずしもモテるのではなく、
美男の顔は平均的にかつ全体的に、配置が大きくずれていたりしないから「綺麗な部屋だな」と思うのと同じくらい、「普通に綺麗だね」という感想になります。

その証拠にいわゆる現代の美男というと、大概なんとなく似ています。

美男なのは分かったがお前は一体どこの国籍のどこのグループの美男だと尋ねたくなるくらいこれといった特徴がありません。
私の場合常に飼ってるペットを抱えといてもらわないと「ああこの可愛い黒猫の飼い主の美男ね」と覚えられないくらい奴らは似ています。

つまり美男だからといって全ての女子の好みそのものではなく、

好みはもっと「顔の配置」自体に掛かって来ます。

無性にこの人の顔の配置が好きだと思う俳優さんはいても、

一体具体的に顔の配置のどこがそんなにも好きなのか、自分でもはっきりよく分かりません。

全く顔の好みとは繊細かつ複雑なものであります🥰





さて。




人の顔にそんな複雑怪奇な好みがあるように、
なぜか、
他人の文章にも好みがあります。

語感。

行間。

その瞬間、そこにその言葉を配置するセンス。

これは【文章上手】の域とはまた別のものであり、

無性に好きだと思っても、

はっきりここがこうだから好きだというのは説明しにくく、

その感じがまさに「この人の顔、なんか知らんが無性にタイプ」というものに似ているのです。


つまりその理論で言うと、人の顔に一目惚れが発生するように、

文章にも一目惚れというものが出来るのかもしれません。



また、付け加えておくと「無茶苦茶好みの顔!!!✨」とボルテージが爆上がりすることも確かにありますが、


もっとナチュラルに海外ドラマで登場した瞬間「この男 なかなかのいい面構えではないか……✨」などと弟子の資質をまずはゆっくり見極める師匠のような心持ちで「なかなかいいね」とゆっくり心に入り込んで来るタイプの顔面もいます。

このタイプはドラマ内のキャラ設定やそれ以後の活躍によって更に味と愛着が出て来た場合「このドラマで一番好き🥰」などという大出世もする可能性を秘めている顔面であります。



文章にも「すげー好み!!!!!!」と一目見て思うものと、

やんわり琴線に触れて来るタイプがあり、

「うーん もしかしたらこの先もっと味が出て来るかも」

と期待を持たせるものがあります。





小説は「物語が大きく動くターン」が来ることがあります。

この時、実は文章も非常に揺れ動き、
人間の性格で言うと「すごく理性的で穏やかな人に見えて好きだったが、酒を飲んだらこんなに女にだらしがない人だったのか。段々見えて来たな」みたいな所があり、

それまで落ち着いた文体が好きだったが、

物語が佳境に入ると作者の感情も大きく動いたことで、文体が崩れて素が見えて来る人もいます。

佳境に入って文体がいつもより動くことで、文章の質が幼くなったり、それまでいいなと思っていたものがそう思えなくなったりした場合、それがその作者の素の文章の実力になります。


しかし中には佳境を迎えて、作者の心も揺さぶられているのを感じ、文章も揺さぶられているのが伝わって来るのですが、

揺さぶられている文章でもなお、非常に美しさ(魅力)を保つ人がいます。




私が実は一番好みなのがこのタイプ。


物語が見せ場や佳境に入って、

作者が例え多少興奮していたとしても、

文章に込めた芯や魂はブレず、

大一番の勝負でもしっかりとした有効牙突を決めて来る、心技体をいついかなる時も崩さない、剣豪のようなタイプです。


見せ場や動きのあるシーン。
作者が書いているのですから、多少感情的になるのは当然です。
私も董卓や呂布を書いてる時は非常に悪い顔をしながら文章を書いてますし。

しかしだからといって、自分を見失い過ぎてはいけません。

見せ場だからといってキャラが叫んでるだけになったり
ズガガガガガガドオオオオオオオオオオオオオオギャー―――――――ン!!!!!!
と擬音ばかりに退化したり、
熱が入ってるからと言って私の近況ノートのように「オイオイ!! この前の回は結構良かったのにどうした今回のエピソードは!! 今週は脚本書いたのバイトかァ!!? コラァ!!!💢」などと突然それまでそんな口調じゃなかったのに豹変して口汚い言葉ばかりになってはいけません!

それは素です!

素が出過ぎています!

文章というものは自分の言葉でありながら、他人に伝えるもの。

他人の存在を忘れて自分のことだけになった文章というのは、他人からすると非常にいつもは悪い人じゃないけど酒を飲んだ時に酒癖悪くなる人間を見てるように、大変見苦しい印象を与えます。


いつも悪くないのに見せ場になると力入り過ぎている人を見ると(力は入れていいのですが、入れ方が汚くなったり乱暴になって文体崩れる人がいる)おいおいおいちょっと落ち着け!!! そんなに暴れないでいい!! あんたの文章ならもっと冷静でもちゃんと見せ場の魅力描けるから!!! いつものあんたでいてくれ!!!💦 となる人がたまにいます。


つまり何が言いたいかというと、割とやんわり結構好みだなあと思う文章に出会ったんですが、まだ激しく物語が動くような所までは描かれていないので、そういう所まで行っても全然動きも書けるけれど冷静さもきちんと作者として保てるような人だったらこれかなり文章好みだなと感じる人を見つけたので、

そんなだったらいいなあと今後に注視したいという話であります。

これで見せ場で文章崩れちゃったらとても勿体ないのよね……。

しかしこの整った感じの文章で人間の激情とかも有効牙突で書き上げてきよったら多分とてもタイプな顔面……✨

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