https://kakuyomu.jp/works/1177354054902247720/episodes/1177354055260769641えー、そんなわけで十四話ですが、これで第四章の第二部は完結となります。
「白狼の娘」は、『幻獣召喚士2』を始める少し前に考えたもので、「悠久の魔導王」よりも先に出来た話です。
そのきっかけは『幻獣召喚士』第二章「夢の誘い」で、リリスという女性召喚士の消滅を描いた時の反省でした。
あれは別に悪い話ではないのですが、転生しようとするリリスがまったくこの世界に未練を見せませんでした。別の章でゴーマがこの世界を去る場面でも、割ときれいに旅立っていきました。
それで「なんかこれ、嘘臭くね?」と思ったのですよ。召喚士は転生するので死ぬわけではありませんが、もっとこう、土壇場で人間らしくみっともなくあがく方が自然なような気がしたのです。
そんなことから、人間としてこの世界から消滅する間際に、人を騙してでも思いっきり自分の我儘(未練)を押し通そうとする、いわば〝往生際の悪い〟召喚士を書いてみたくなったのです。
そして最初に浮かんだのが今回のラスト、消滅での〝懺悔〟の場面です。
魔導院の洗脳教育で、強迫観念のように母親になることへの心理的ブレーキをかけられた女召喚士が、人間でいる間に〝母親ごっこ〟をしてみたいと考え、両親を失った不幸な女性を利用してその思いを叶え、自分だけ満足しながら騙した女性にそれを詫びて消えていく――それはもの凄く身勝手で、同時にとてつもなく悲しい女性の姿ですが、このシーンを思いついた時に「ああ、これはヨーコの物語だ」と気づき、そこから物語を組み立てていきました。
エーファは彼女のことを許した――というか、多分ヨーコが何を謝っていたのか理解していないと思います。
ヨーコは夫(父)を奪われても、母娘で懸命に生きていこうとするアリュリンとエーファを目の当たりにして、強い憧れと激しい嫉妬に襲われます。
そしてアシュリンの死を知ったのちに、売春婦に身を堕としたエーファと再会した彼女は狂喜します。
結局エーファを幸せにできないまま死んでしまったアシュリンに替わって、「今度は自分が母親となってエーファを守ってあげる」、勝手にそう心に誓ったヨーコは、この時点でもう常軌を逸していたのだと思います。
「自分はお金を持っているから、アシュリンには出来なかったことをエーファにしてあげられる」――そんな醜い自己満足に酔っていたのです。
だからヨーコは本来なら、料理修業に夢中になっているエーファから見放され、自己嫌悪にまみれて一人孤独にこの世界を去るべきだったのかもしれません。
そういう点では、エーファに懺悔をして許しを得たという、実際の展開は〝甘すぎる〟のですが……ヨーコが好きな作者としては、そこまで鬼になれませんでした……(^-^;
とにかくこの番外編は今回のラストが根幹ですからこれを書いてしまったら、もう第四章は終わりにしてもいいのです。
ただ、さすがにそれだとあまりにも説明不足なので、残り四話を使ってフォローをしています。次回の第十五話から十八話までがその第三部ですね。
散々「ロキのお嫁さんになって、たくさん仔オオカミを産む」と言っていたヨーコですが、皆さんご存知のとおり彼女はトキ(ライガとヨミの息子)の奥さんになっています。
何となく予想がつくとは思いますが、ヨーコが転生した後、ロキがどうなるのか。なぜライガの群れにヨーコが入ることになるのか。
その辺の経緯を描きつつ、エーファのその後にもちょっと触れることになります。
最終話ではユニが登場し、次の章の導入まで欲張っています。ついでにしれっとヨーコを救済しています(どこまで甘いんだろうw)。
第三部は油断しているとすぐに作者が泣かしにかかるので、心して読んでくださいw