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戦記名物実物大セット

 いつもお読み頂き有難う御座います。

 前回に続いて特撮戦記大作名物ですが、その前に前回書き洩らした事を。
 かつて東宝の宣伝部だった映画評論家斎藤忠夫の「東宝行進曲」によると、「太平洋の嵐」の際作られた戦艦大和の大型模型を靖国神社に奉納したという一節があるのですが、戦艦大和の大型ミニチュアが東宝特撮で初登場するのは後年の「太平洋の翼」です。更に「連合艦隊司令長官 山本五十六」でも登場しており、更にはこの大和を改造して同作のヨークタウン、更に「日本海大海戦」の三笠が作られています。
 なお「太平洋の嵐」にも模型なのかグラスワークなのか混乱するカットがありますが、制作時の模型製作表には書いておらず、個人が作ったものではなかろうか?と推測されています。

 靖国神社に奉納されたのは13m、1/20のミニチュアではなく1/33のもの(それでもSUGOKUDEKAI)。その記憶違いと思われます。
 更に記憶違いと言えば、戦艦大和映画で欠かす事の出来ない、世界で唯一大和が砲撃戦を行ったアメリカ映画”In Harm’s Way”。
 日本人にはお馴染みの白い主砲防水布、これが黒(茶色?)になってて違和感を感じますが、これがメキシコ湾に大型ミニチュアを航行させてドガドガ主砲をアメリカ巡洋艦だけじゃなく水雷艇!!にまで打ち込む快挙を成しているのですが、このミニチュアが靖国神社に奉納されたという噂。
 これも「山本五十六」の間違いじゃないか、という指摘があります。

 やっと本題、実物大セット。
「ハワイ・マレー沖海戦」で既に作られており、「雷撃隊出動」では空母飛竜の実物がロケに使われ離陸シーンを艦載機後方にカメラを向け撮影され貴重な映像を残しており、戦後「太平洋の鷲」では大井競馬場付近に赤城が、「太平洋の嵐」では千葉勝浦に飛竜が実物大で部分的に再現されています。
「嵐」のものは本作でも再現しましたが、Z旗掲揚から夏木陽介が甲板に向かうまでのワンショットに物凄い熱気を感じています。あのM2をステレオで聞きたかった!

 それでもやっぱり「トラ!トラ!トラ!」の長門と赤城はケタ違いで、アメリカの資本力の違いを思い知らされます。タイトルバック、山本五十六着任シーンで艦橋にビッシリ並んだ将兵に、途中で降板した黒澤明の意地が垣間見える気がしてなりません。

 そして東映「男達の大和」、尾道の日立造船跡地に作られた大和の主砲廻り。第一砲塔も艦橋も無いセットですが、それでもその巨大さには圧倒されました。

 戦中も戦後も変わらず戦争映画には金が集まる様で、その象徴ともいうべき巨大ミニチュアと巨大セットには鎮魂、無念、ノスタリズム、複雑な感情が入り乱れつつも、本能的に強大なメカニズムへの憧れを掻き立てる大きな力がこもっている気がしてなりません。

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