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「キャプテンスカーレットとミステロンズ」

 毎度お読み頂き、有難う御座います。
 異世界の異国での人形劇特撮、今度は「キャプテンスカーレット」っぽいもの、苦戦しています。

「サンダバーズ」のUKと英連邦でのヒットと、まさかまさかのUSセールス大失敗。更に劇場版の大失敗。
 配給会社ITCのルーグレイドは「サンダバーズ」の製作中止と新番組立ち上げを指示しますが、これがジェリーのキャリアの、メジャーになってからの最初の挫折となりました。
 APF立ち上げ前の挫折の比ではありません。

 しかしこれに挫折する事なくジェリーが打ち出した新企画は、意見は分かれるかも知れませんが、10代後半の私の目には果てしなく魅力的なものに見えたのです。

「キャプテンスカーレット」、原題はUSでの著作権に配慮したのか「キャプテンスカーレットとザ・ミステロンズ」。

 実は「キャプテンスカーレット」って、1952年のUSでナポレオン戦争後の英雄、カルロス・スカーレットがスペインの姫マリアを救う活劇として映画化されているのです。
 特撮ファンの常識だったらスミマセン。
 そしてそれがこのタイトルと関係なかったらもっとスミマセン。

 でもジェリーは「21世紀プロ=トゥエンティファーストセンチュリー・プロダクション」と命名しようとした時、既にその名が登録されているので「世紀21プロ=センチュリー・トゥーワン・プロダクション」で登録せざるを得なかった経緯もありますので、杞憂でもないかな~と。

 でも当初の企画タイトルが「サ・ミステロンズ」だったので単にそれを残したかっただけかもしれません。

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 本作の最大の売りであり魅力であり問題点でもある8頭身のリアルな人形。
 各人形の目には本物の義眼同様、光彩の写真が縮小して貼られていたとまで言います。

 これもスタッフには賛否両論で、アンダーソン作品のおばあちゃんであるクリスティン・グランヴィルさんは
「愛着がわかない」
「頭に重さがあったのが胴体に移って(事前に録音された声を電磁石を通して口を動かす装置、リップシンクロシシテムが、頭から胴体に移されたため8頭身のプロポーションが実現できた)、操作が難しかった」
と感想を残しています。

 パーカーの造形で知られるジョン・ブランドール氏はこれを機にアンダーソン作品から離れました。

 果たしてスーパーマリオネーションのリアル志向がよかったのかどうなのか。
 私は4頭身、6頭身と進化していく末に8頭身の世界があっても良かったし、何よりカッコイイとは思いました。

 ただ。
「話、面白くねえ」

 そう。「キャプテンスカーレット」は、イマイチ面白くない。

 リアルな人形の暗闘と、リアルだけど地味なスパイ合戦で、キャプテンスカーレットとキャプテンブルーの色彩が無ければ、思いっきり華の無い人形同士の殺戮になってしまう。

 これは一説にシルビア夫人がスパイものを推したという説もあり、そもそもジェリー氏自身人形劇から脱却したかったという誰もが認める志向もあり、更には今まで面白い脚本を書いていたアラン・フェンネル氏がTV21誌に移行してしまったからという説まであり、一概には言い切れない部分があります。

 ゲストメカも結構魅力的なものもありましたが、「サンダバーズ」の様なド派手な「未来!」って思わせるものは…ストラダジェットとかアトランティカ海軍基地とか、要人輸送大型ヘリマグナコプター…う~ん、イマイチ。

 無人戦車ユニトロンも毎度おなじみダイガージョー戦車の改造だし。
 カッコイイけど。
 登坂試験や塹壕ジャンプとか、火炎放射した時「ウホオ!」と感動したけど!

 あ、「タイガージョー戦車」はデラックスリーディング社の玩具で、アンダーソン作品ではまんまの形に近い恰好で「サンダバーズ」でも「偽物」の世界陸軍探索隊、「死の谷」のグレイアンドウアウスマントレーラー(後に改造されて「破壊の通過」のクラブロッガー後半部に流用)、シャドーモービル、ムーンベースタンクにまで使われている、優れた足回り用品です。

 ザ・モール(和名ジェットモグラタンク)以下救助装備の足回りに多用されたヴィッカーズ社のトラクター販促模型に並ぶ、アンダーソン作品の功労者です。

 余談はさておき。

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 イマイチであった「キャプテンスカーレット」ですが、時にスカーレットたちスペクトラムが敗北してオシマイ、という結構衝撃的な話もあったりして、それはそれで面白いけど「それでいいんか?!」という心の叫びは残ります。

 そして頑なに折衝に応じないミステロンズ。

「戦争は絶対の正義と悪の戦いではない、常に相対的だ」
という現実的な問いかけを行ったジェリーの気概は認めつつも、それ以前に、それまではコミカルでユーモラスな彼我のキャラクターに助けられていた雰囲気が、思いっきりリアル方面に全振りしてしまい、人気が落ちた?のではないかな~という問題。

 また、幾多に設定されたメカも十分な活躍の場を得られなかったという無念。
 美人パイロットが乗るエンゼルインタセプターも、数回は見せ場があったが、主人公が敵をやっつけるというカタルシスには結び付いてないかなー、と思ったりもします。

 作劇上の問題点は多々ありますが、それでもイケメン美女揃いの超リアルな、一瞬人形とは思えない様な進化した人形。
 そして秘密基地であるクラウドベース、主役メカスペクトラム追跡車SPV、エンジェルインタセプター以下魅力的なレギュラーメカ。

 全話LDを見るまでは
「どんな未来のSFスパイ&メカ戦が繰り広げられるんだろうなあ!」
と夢見たあの気分は、今でも醒める事はありません。
「マイティジャック」のビデオを見る前の様に。

 子供と大人(学生含む)の違いは、それを試聴後でも夢見続けられるか、試聴と同時に夢から覚めるかの違いだとしたら…

 俺、還暦前にしてまだ子供?

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