こんな風の夜更けにPCに突っ伏しているのは誰だろう?
父(内心)と書き手のぼうや(精神年齢)だ。
ぼうやは複雑な創作プロットを抱きしめている。
走らない筆に悩み、身を震わせている。
――ぼうや、なぜ苦しそうに机に伏せているのだ?
――父さん、あのエッセイが見えますか。たくさんの星とハートを持つエッセイが。
――ぼうや。あれはな、よく出来たエッセイなのじゃ。
魔王
「ああ、かわいい書き手よ。私のところへおいで!
一緒にたのしくエッセイを書こう!
そのプロットより、とても書き出しやすいよ!
通知にはハートの列が並ぶに決まっているよ!」
――父さん、父さん!
――エッセイの魔王がぼくを誘惑する!
――落ち着け、落ち着くのだ、ぼうや。
――それはお前の心のざわめきじゃ。
魔王
「一緒に書こう、かわいい愛され書き手!
私の美しい娘たちがあなたを待っているよ!
コメントの束を手にもって待っているよ、
なり続ける通知音で踊り、歌いながらコメ返しよう、さあ此岸へおいで!」
――父さん、父さん!
――暗闇で魔王の娘たちが共感に満ちたコメントを投げようとしてる!
――ぼうや、私のぼうや、父にはハッキリ見える。それはお前の暗い願望じゃ。
魔王
「私はあなたのファンになろう、愛しい一話完結の名手よ!
書かないのなら、私はぼうやをギフトで殴って書かせなければならない!」
――ああ父さん、父さん! 魔王が僕に課金した!
――魔王が僕のXをフォローするよ! 僕のエッセイを拡散してくれる!
父は恐れおののき
ぼうやを抱いてPCから引きはがすが
あわれ、ぼうやは……
公開ボタンを……
押して、いた
(※筆者の自戒パロディ遊びであり、エッセイやノンフィクションを軽視する意図は一切ありません)