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汝、星のごとく

 最近気づいたんですが、自分が集中して本を読む時って、無意識に右目を瞑って左目だけで文章を見ているみたいです。ふと気づき両目で見ると全然見え方が違って、それまで自分は片目で本を読んでいたことに気づきました。

 右脳で想像しながら読んでいるから左目なのかわかりませんが、本読むのめっちゃ遅いです。1冊10時間とかかかったりします。みなさんは本を読む時の癖とかありますか?

 というわけで(?)、最近2023年の本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』を読みました。本の概要などを目にして、自分が今読むべき本はこれだと思って。

 結果、非常に辛い読書体験でした。いや、とても素晴らしい作品なのですが。物語があまりにも辛い展開に次ぐ辛い展開の連続だったので。これ以上の苦しさはないだろうという後に更なる苦しさが待っていたりしました。本屋大賞ということでもう少しポップな内容を予想していたのですが。

『汝、星のごとく』は、人におすすめできる作品かというと、自分はあまりおすすめできません。読むのがとても辛かったので。途中から、絶対明るい結末は待っていないだろうと思いながら読んでいました。だけど、間違いなく読んで良かったと思える作品です。様々な形の「愛」、そして「世間に囚われない本当の自分とかは何か」みたいなものが描かれた作品だったと思います。最後のほうは泣きながら読みました。思い出すとふと涙が流れてきてしまうようなお話ですね。

 読み終わった後、どんな人が書いたんだろうと作者の凪良ゆうさんのプロフィールをWikiで確認しました。そしたら笑ってしまいました。「まんまやん!」って。何がまんまなのかというと、『汝、星のごとく』の登場人物の一人とまったく同じエピソードを作者の方が体験されていたのです。小学生のころ、シングルマザーの母親が家を出ていったきり帰ってこず、10日間ほど一人で過ごして食べ物が尽きかけたと。そして過酷な現実から逃れるために物語に没頭していたというのも重なります。作中に、作家には自分の人生を切り売りして物語を紡ぐ人と、創作は創作として自分とは違うものを書ける人がいる、というようなニュアンスの文章が出てきましたが、凪良ゆうさんはまさに前者ということですね。だからあれほどのリアリティがあった。

 誰か特定の悪い人がいるわけではないのに、運命が狂わされていく様。置かれた環境。その中で自分たちは何を捨て何を掴んでいくのか。そういった多くのことを考えさせられる作品でした。

 ちなみにこの前言っていた『探偵小石は恋しない』も最後まで読みました。おそらく漫画や映像ではできない小説ならではのトリックもありましたね。そして作品の最後の一行がめっちゃ好きでした。最高の一行。キャラ文芸っぽさがあり、とくにミステリ好きではなくとも楽しめる作品です。最初は登場人物たちがあまり好きではなかったけど、最後はめっちゃ好きになりました。そういう意味でも騙されました。

 次は海外の翻訳作品、『空、はてしない青』を読んでみようと思っています。これらの作品の影響を受けながら6月までにポプラ社小説新人賞への作品を仕上げます。時間ない。

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